「採用SNSはInstagramとTikTok、どちらを使えばいいのか」「同業他社がTikTokを始めたけれど、うちの職種でも効果があるのか」──媒体選びに迷っている採用担当の方は多いのではないでしょうか。
採用SNSの職種別の使い分けとは、職種ごとに「応募前に求職者が不安に思うこと」を洗い出し、その不安を解消しやすい媒体と投稿形式を選ぶ考え方です。この記事では、警備会社や整体サロンの採用支援で培った弊社の知見をもとに、職種別のInstagramとTikTokの選び方を解説します。
この記事でわかること
- InstagramとTikTokの採用での役割の違い
- 媒体選びを「職種名」ではなく「応募前の不安」で考える理由
- 現場職・接客職・医療介護職・オフィス職・新卒の使い分け
- 職種別に効果が出やすい投稿テーマの例
- 使い分けで失敗しないための注意点
採用でのInstagramとTikTokの違い

使い分けを考える前に、2つの媒体の違いを押さえておきましょう。ひと言でいえば、Instagramは「調べに来た人に見せる場」、TikTokは「まだ知らない人に出会う場」です。
| 比べる項目 | TikTok | |
|---|---|---|
| 得意なこと | 情報を整理して残す | まだ知らない人に届ける |
| 見られ方 | 社名検索・プロフィール閲覧 | おすすめフィードでの流し見 |
| 向いている投稿 | カルーセル・リール・ハイライト | 縦型ショート動画 |
| 伝わりやすい情報 | 制度・待遇・キャリア・社員紹介 | 職場の空気・人柄・仕事の動き |
| 応募への導線 | プロフィールのリンク・DM | プロフィールのリンク |
Instagramは「答え合わせ」の場
求職者は、気になる会社を見つけると社名で検索し、Instagramで雰囲気を確かめます。投稿やハイライトに給与・休日・研修・社員の声を整理して残しておけば、その場で不安を解消できます。
TikTokは「出会い」の場
TikTokは、フォローしていない人にもおすすめで動画が届くのが特徴です。転職を考えていなかった人が、たまたま見た動画で会社を知るきっかけになります。知名度がない会社ほど、TikTokの「出会い」の力は大きな武器になります。
媒体は「職種名」ではなく「応募前の不安」で選ぶ

「介護ならInstagram」「建設ならTikTok」と職種名だけで決めると、うまくいかないことがあります。同じ職種でも、求職者が何に不安を感じているかによって、伝えるべき情報が変わるからです。
判断の3つの軸
- 応募前の不安は何か:きつさ・人間関係・未経験でもできるか・給与など
- その不安は何で解消できるか:動きや空気が伝わる動画か、読み返せる情報か
- 続けられる体制はあるか:撮影に協力できる社員、編集する人、投稿頻度
不安が「雰囲気」や「きつさ」なら動画、「条件」や「制度」なら整理された投稿が向いています。この考え方で、職種ごとの使い分けを見ていきましょう。
不安は面接と社員から集める
求職者の不安は、面接で「応募前に気になっていたことは何ですか」と聞くと集められます。入社1〜2年目の社員に、応募をためらった理由を聞くのも効果的です。集めた不安の数だけ、投稿テーマの候補が増えます。不安の集め方は採用SNSのペルソナ設計でも紹介しています。
職種別:InstagramとTikTokの使い分け

ここでは、弊社がよくご相談を受ける5つの職種グループごとに、使い分けの考え方を紹介します。あくまで最初の仮説として使い、運用しながら調整してください。
| 職種グループ | 応募前の主な不安 | 主な媒体 | 投稿テーマの例 |
|---|---|---|---|
| 現場職(警備・建設・製造・物流) | きつくないか・未経験でもできるか | TikTok中心+Instagram | 現場の1日密着・先輩の本音 |
| 接客・サービス職(飲食・販売) | シフト・人間関係 | TikTok+Instagram | スタッフ同士の会話・シフトの実例 |
| 美容・サロン(美容師・セラピスト) | 技術の身につけ方・教育 | Instagram中心+TikTok | 練習風景・デビューまでの流れ |
| 医療・介護・福祉 | 夜勤・体力・職場の雰囲気 | Instagram+TikTok | 1日の流れ・利用者さんとの関わり |
| オフィス職・新卒総合職 | 仕事内容・キャリア・社風 | Instagram中心 | 社員インタビュー・キャリアの歩み |
現場職:動画で「きつさ」の不安を解消する
警備・建設・製造・物流などの現場職では、「体力的にきついのでは」「未経験で大丈夫か」という不安が応募の壁になります。実際の作業の動きや休憩の様子を見せることで、イメージと現実の差を埋められます。拡散力のあるTikTokで出会いを作り、Instagramで条件を確認してもらう流れがおすすめです。
接客・サービス職:人とシフトを見せる
飲食や販売の仕事では、「どんな人と働くのか」「シフトの融通がきくか」が気になるポイントです。スタッフ同士の自然なやりとりは動画で、シフトの実例はInstagramの投稿で伝えましょう。飲食店の事例は飲食店のバイト採用はSNSが最強で詳しく紹介しています。
美容・サロン:成長の道のりを見せる
美容師やセラピストを目指す人は、技術をどう身につけられるかを重視します。練習風景やデビューまでの流れをInstagramで整理して見せると効果的です。サロンの採用については整体院・サロンの採用難をSNSで解決もご覧ください。
医療・介護・福祉:雰囲気と条件の両方を伝える
医療・介護の仕事は、職場の雰囲気と働く条件の両方が応募の決め手になります。人柄や空気は動画で、夜勤の回数や休日は投稿でと、2つの媒体の役割を分けるのがポイントです。介護職の採用については介護採用にTikTokという選択肢で詳しく解説しています。
オフィス職・新卒:キャリアを読める形で残す
オフィス職や新卒の総合職では、「どんな仕事を任され、どう成長できるか」を知りたい人が多くなります。社員インタビューやキャリアの歩みを、Instagramのカルーセル(複数枚の画像投稿)で読み返せる形にしておくのがおすすめです。
2つの媒体を組み合わせて応募につなげる

多くの職種では、どちらか1つではなく2つの媒体を役割分担させると効果が高まります。基本の流れは次のとおりです。
- TikTokで知る:おすすめに流れてきた動画で、会社や仕事を知る
- Instagramで確かめる:社名で検索し、投稿やハイライトで条件や雰囲気を確認する
- 応募する:プロフィールのリンクから応募フォームや公式LINEへ進む
このとき大切なのは、TikTokで興味を持った人が、Instagramで「答え」を見つけられる状態にしておくことです。TikTokだけが伸びて、確認先のInstagramが空っぽだと、応募の手前で離れてしまいます。バズと応募の関係はTikTok採用でバズっても応募が来ない理由で解説しています。
職種別の使い分けで失敗しないための注意点

最初から2媒体に手を広げすぎない
体制が整っていないうちに2つの媒体を同時に始めると、どちらも中途半端になりがちです。まず1つの媒体で投稿を習慣にしてから、もう1つに広げましょう。
良く見せすぎない
楽しそうな場面ばかりを切り取ると、入社後に「思っていたのと違う」と感じさせてしまいます。大変な場面も正直に見せたほうが、ミスマッチの少ない応募につながります。
出演する社員の負担と同意に配慮する
現場職ほど、社員に出演してもらう場面が増えます。出演は強制せず、投稿の使い方を事前に説明して同意を得ておきましょう。社員が楽しんで出られる企画のほうが、見る人にも雰囲気が伝わります。
数字は応募まで見る
再生数やフォロワー数だけで判断せず、プロフィールへのアクセス、リンクのクリック、応募数まで追いかけましょう。職種によって反応の出方は違うため、数字を見ながら使い分けを調整することが大切です。
支援事例:現場職の採用でTikTokとInstagramを活用
弊社が支援している警備会社では、TikTok(15万フォロワー)とInstagram(4万フォロワー)を採用目的で運用し、採用問い合わせ200件超につながっています。整体・マッサージ系サロンでも、TikTokとInstagramの運用で採用問い合わせ80件超を実現しました。
どちらの案件も、ショート動画の企画・投稿設計に加え、アカウント改善と問い合わせ導線の設計までをセットで支援しています。職種の特徴に合わせて媒体の役割を決めたことが、成果の土台になりました。
転職潜在層に向けた発信の考え方は、中途採用のSNS活用の記事で詳しく解説しています。
よくある質問
Q. 採用SNSはInstagramとTikTokのどちらから始めるべきですか?
社名で検索した人に情報を整理して見せたいならInstagram、まだ自社を知らない若い層に広く届けたいならTikTokが向いています。迷ったら、情報を残せるInstagramから始めるのがおすすめです。
Q. 複数の職種を募集している場合はどうすればいいですか?
一番採用したい職種を軸に媒体を選び、他の職種は投稿の企画で出し分けるのが現実的です。職種ごとにアカウントを分けるのは、運用の負担が大きいためおすすめしません。
Q. 同じ動画をInstagramとTikTokの両方に投稿してもいいですか?
問題ありません。縦型動画はリールとTikTokで共有できます。ただし、冒頭の見せ方やキャプションは、それぞれの見られ方に合わせて調整すると効果が上がります。
Q. 現場職の採用にTikTokは向いていますか?
向いています。作業の様子や職場の空気は、文章より動画のほうが伝わります。弊社が支援する警備会社でも、TikTokとInstagramの運用で採用問い合わせ200件超につながっています。
Q. YouTubeやXは採用に使わなくていいですか?
使い方次第で有効です。YouTubeは社員インタビューなど長い動画で深く伝えたいとき、Xは代表や社員個人の発信で人脈を広げたいときに向いています。ただし、まずはInstagramとTikTokのどちらかで投稿を習慣にしてから広げるのがおすすめです。
営業職の採用でSNSをどう使うかは、不動産会社の採用方法の記事も参考にしてください。
まとめ:職種の「不安」から媒体を選ぼう
- Instagramは「答え合わせ」、TikTokは「出会い」の場
- 媒体は職種名ではなく、応募前の不安と、それを解消できる投稿形式で選ぶ
- 雰囲気やきつさの不安は動画、条件や制度の不安は整理された投稿で伝える
- 多くの職種では、TikTokで知ってInstagramで確かめる流れが効果的
- 最初は1媒体から。数字は応募まで見て、使い分けを調整する
「自社の職種にはどのSNSが合うのか知りたい」「TikTokとInstagramの両方を運用する余力がない」という方は、お気軽にご相談ください。SNS採用の全体像はSNS採用とは?主要5媒体の比較・メリット・成功事例まで完全ガイドもあわせてご覧ください。
株式会社Add Value 代表
企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。


