「学生は本当に企業のSNSを見ているのか」「SNSで何を発信すれば、応募につながるのか」──新卒採用の担当者から、こうしたご相談をよくいただきます。
結論からいうと、就活生にとって企業SNSは、公式情報だけではわからない職場の雰囲気を確かめる「答え合わせ」の場です。一方で、SNSの情報をうのみにして後悔した経験を持つ学生も少なくありません。この記事では、2026年に発表された調査データをもとに、就活生のSNSの見方と、信頼される採用発信のポイントを解説します。
この記事の要点
- 企業SNSを見たことのある就活生の82.3%が、企業選びでSNSを参考にしている
- 76.3%が「企業のSNSが見つからなかった」経験を持つ
- SNSを見た後、説明会参加(41.8%)や企業HPの確認(41.5%)に進む人が多い
- 一方で、SNSの情報で後悔した就活生は55.0%。最も信頼されるのは公式採用ページ
- 企業SNSは「不安をあおらず、公式情報とつながる」発信が信頼される
就活生の8割がSNSを企業選びの参考にしている

株式会社InitialSiteが、企業SNSやショート動画の閲覧経験がある就活生・新卒社会人400人に行った調査(2026年5月)を見てみましょう。
| 質問 | 回答 | 割合 |
|---|---|---|
| 企業の比較・検討時にSNSを参考にしたか | 「非常に」「ある程度」参考にした | 82.3% |
| 企業のSNSを探して見つからなかった経験 | 「よくあった」「時々あった」 | 76.3% |
| 企業SNSが魅力的だった場合の応募意欲 | 「大きく」「やや」高まる | 80.1% |
| 企業SNSが応募・選考参加の判断に影響したか | 「大きく」「やや」影響した | 69.3% |
企業選びの場面で、SNSが当たり前に見られていることがわかります。そして4人に3人が「探したのに見つからなかった」経験を持っています。SNSで発信していないこと自体が、学生にとっての「情報不足」になっているのです。
SNSがない企業には「働くイメージが湧かない」
同じ調査で、気になる企業にSNSアカウントがなかった場合に感じることを聞いたところ、「働くイメージが湧きにくい」(37.5%)、「実際の雰囲気が分かりづらい」(27.3%)、「情報が少ないと感じる」(21.0%)という回答が上位でした。
調査を読むときの注意点
この調査は、もともと企業SNSを見たことがある人を対象にしています。就活生全体の数字ではない点に注意しましょう。また、発表元は新卒採用向けのSNS支援を行う企業です。数字は「SNSを見る学生の傾向」として参考にするのがよいでしょう。
企業SNSを見た後、就活生はどう動くのか

SNSは「見られて終わり」ではありません。InitialSiteの第二弾調査(同じ400人が対象)では、企業SNSを見た後に取った行動として、次の回答が挙がりました(複数回答)。
| 企業SNSを見た後の行動 | 割合 |
|---|---|
| 説明会に参加した | 41.8% |
| 企業HPを詳しく調べた | 41.5% |
| 職場見学に参加した | 33.5% |
| 他のSNSや口コミを調べた | 21.8% |
| 応募した | 15.0% |
| 特に何もしていない | 11.3% |
SNSから直接応募する人より、説明会や企業HPなど「次の情報」に進む人のほうが多いことがわかります。SNSは応募のゴールではなく、説明会や採用ページへの入口として設計するのが効果的です。
SNSを見て印象が「悪くなった」人も23.8%
同じ調査で、企業SNSを見て印象が変わったと答えた人は67.8%でした。内訳は「良くなった」44.0%、「悪くなった」23.8%です。SNSは印象を上げることも、下げることもあるという点は押さえておきましょう。
SNSの情報で後悔した就活生は55%

就活生はSNSを活用する一方で、その情報に振り回されている面もあります。株式会社ネオキャリアが、SNSで就活の情報収集をしていた27卒の内定者109人に行った調査(2026年6月)の結果を紹介します。
- SNSの情報をもとに行動して後悔した経験がある:55.0%
- 後悔の内容で最も多かったもの:不安をあおる投稿を見て焦って行動した(50.0%)
- SNSで初めて知った企業に実際にエントリーした:27.5%
- 最も信頼できる情報源:企業の公式採用ページ(33.9%)
- 最も活用されたSNS:X(64.2%)
SNSで企業を知ってエントリーする学生がいる一方で、最後に頼りにされているのは公式の情報です。学生は「SNSで知り、公式情報で確かめる」という動き方をしていると考えられます。
企業SNSが「信頼できる情報源」になるチャンス
不確かな情報があふれているからこそ、企業が自ら正確な情報を出すSNSは価値があります。社員が実名や顔を出して語る発信や、公式採用ページへのリンクがはっきりしたアカウントは、学生にとって安心できる情報源になります。
就活生に信頼される採用発信の5つのポイント

調査データから見えてきたことをもとに、就活生に信頼される発信のポイントをまとめます。
① 不安をあおらない
「今すぐ応募しないと間に合わない」「この会社を知らないと損」といった表現は、学生を焦らせるだけです。事実を落ち着いて伝えるほうが、信頼につながります。
② 良い面だけでなく、大変な面も見せる
印象が「悪くなった」学生がいることからも、見せ方には注意が必要です。とはいえ、楽しい場面だけを切り取ると、入社後のギャップにつながります。大変なことと、それをどう乗り越えているかをセットで伝えると、誠実さが伝わります。
③ 社員が自分の言葉で語る
学生が知りたいのは、会社の宣伝文句ではなく、働いている人の本音です。若手社員が入社理由や1日の流れを自分の言葉で話す発信は、雰囲気を伝える最も強いコンテンツです。
④ 公式採用ページとつなげる
学生はSNSを見た後、企業HPや説明会に進みます。プロフィールのリンクやハイライトから、採用ページ・説明会の申し込みへ迷わず進める導線を作っておきましょう。導線の作り方は採用SNSの始め方で解説しています。
⑤ 「探したら見つかる」状態にする
4人に3人が企業のSNSを探して見つからなかった経験を持っています。アカウント名に社名を入れる、採用サイトや求人票にSNSへのリンクを載せるなど、社名で検索した学生が必ずたどり着ける状態を作りましょう。
就活生向けSNSのチェックリスト

自社のアカウントが就活生に信頼される状態になっているか、次の項目で確認してみてください。
| チェック項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 見つけやすさ | アカウント名・ユーザー名に社名が入っているか |
| 公式とのつながり | 採用サイトからSNSへ、SNSから採用サイトへリンクがあるか |
| 情報の新しさ | 最後の投稿が1ヶ月以上前になっていないか |
| 社員の声 | 若手社員が自分の言葉で話す投稿があるか |
| 正直さ | 大変な面や、入社後に苦労したことも伝えているか |
| 次の行動 | 説明会・インターンの申し込み方法がすぐわかるか |
すべてに当てはまるアカウントは、まだ多くありません。1つずつ整えるだけでも、学生からの見え方は大きく変わります。
支援事例:信頼される発信で問い合わせを増やす
弊社が支援している警備会社では、採用目的のTikTokとInstagramを運用し、採用問い合わせ200件超につながっています(月間再生数1,000万回超え)。整体・マッサージ系サロンでも、採用問い合わせ80件超を実現しました。
どちらの案件でも、ショート動画の企画・投稿設計に加え、アカウント改善と問い合わせ導線の設計をセットで支援しています。再生数を集めるだけでなく、見た人が次の行動に進める設計にしたことが成果につながりました。若い世代に届けるSNSの選び方は採用にSNS活用が必要な理由もあわせてご覧ください。
内定後に学生がSNSで何を確かめ直しているかは、内定辞退を防ぐ採用SNSの記事で詳しく解説しています。
学生に向けた発信の始め方やネタは、採用広報とはで解説しています。
新卒採用全体の進め方は、新卒採用にSNSを活用する方法で、媒体の組み合わせや説明会とのつなぎ方を解説しています。
よくある質問
Q. 就活生は企業のSNSを見ていますか?
見ています。企業SNSの閲覧経験がある就活生・新卒社会人400人の調査では、82.3%が企業の比較・検討時にSNSを「参考にしていた」と答えています(InitialSite、2026年5月調査)。
Q. 就活生が一番信頼する情報源は何ですか?
27卒の就活経験者109人の調査では、最も信頼できる情報源は「企業の公式採用ページ」(33.9%)が最多でした(ネオキャリア、2026年6月調査)。SNSは、公式情報と組み合わせて見られています。
Q. 企業がSNSアカウントを持っていないと不利になりますか?
不利になる可能性があります。気になる企業にSNSがなかった場合、「働くイメージが湧きにくい」と感じる人が37.5%いました(InitialSite調査)。
Q. 就活生向けのSNSで避けるべき発信は?
不安をあおる表現や、良い面だけを切り取った発信は避けましょう。SNSの情報で後悔した就活生の半数が「不安をあおる投稿で焦って行動した」と答えています(ネオキャリア調査)。
Q. 新卒採用ではどのSNSから始めればいいですか?
社名で検索した学生に情報を整理して見せられるInstagramから始めるのがおすすめです。認知を広げたい場合はTikTok、インターン情報の発信ではXも選択肢になります。
まとめ:就活生にとって「信頼できる情報源」になろう
- 企業SNSを見る就活生の82.3%が、企業選びでSNSを参考にしている
- SNSを見た後は、説明会参加や企業HPの確認に進む人が多い
- SNSの情報で後悔した就活生は55.0%。最も信頼されるのは公式採用ページ
- 不安をあおらず、社員の言葉で、公式情報とつながる発信が信頼される
- 社名で検索した学生が必ずたどり着ける状態を作る
「新卒向けのSNSを始めたいが、何を発信すればいいかわからない」「SNSを見た学生が説明会に来てくれない」という方は、お気軽にご相談ください。
参考情報(2026年10月28日確認)
株式会社Add Value 代表
企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。


