「採用SNSを始めて3ヶ月。応募が増えないけれど、このまま続けていいのだろうか」──採用担当の方から、こうしたご相談をよくいただきます。
採用SNSの効果測定とは、SNSの発信が「認知→興味→行動→採用」のどこまで求職者を進められているかを、段階ごとの数字で確かめることです。応募数だけを見ていると、どこを直せばいいのかがわかりません。この記事では、採用SNSで見るべきKPI(目標にする数字)と、その決め方、効果が出るまでの期間の目安を解説します。
この記事の要点
- 採用SNSの効果は「認知・興味・行動・採用」の4段階に分けて測る
- 企業SNSを見た後に「応募した」人は15.0%。説明会参加や企業HPの確認に進む人のほうが多い
- KPIは再生数からではなく、採用したい人数から逆算して決める
- SNS経由の応募は、仕組みを作らないと数えられない
- 数字は月1回記録し、止まっている段階だけを直す
採用SNSの効果測定とは?応募数だけで判断してはいけない理由

結論からいうと、採用SNSは「応募数」だけで評価すると判断を誤ります。SNSを見た求職者は、すぐに応募するとは限らないからです。
SNSを見た後、すぐ応募する人は多くない
株式会社InitialSiteが、企業SNSの閲覧経験がある就活生・新卒社会人400人に行った調査(2026年5月)では、企業SNSを見た後の行動として次の回答が挙がりました。
| 企業SNSを見た後に取った行動 | 割合 |
|---|---|
| 説明会に参加した | 41.8% |
| 企業HPを詳しく調べた | 41.5% |
| 職場見学に参加した | 33.5% |
| 他のSNSや口コミを調べた | 21.8% |
| 応募した | 15.0% |
SNSから直接応募する人より、説明会や企業HPなど「次の情報」に進む人のほうが多いことがわかります。SNSの効果は、応募の手前の行動にも表れるのです。
応募数だけを見ると「どこで止まっているか」がわからない
応募が少ない原因は、会社によって違います。そもそも見られていないのか、見られているのにプロフィールに来ないのか、応募ページで離れているのか。段階ごとに数字を見れば、直す場所が1つに絞れます。全部を一度に変える必要はありません。
採用SNSで見るべきKPI|段階別の指標一覧

採用SNSで見る数字は、次の表のように段階ごとに分けて整理するとわかりやすくなります。
| 段階 | 見る指標 | わかること |
|---|---|---|
| 認知 | 再生数・リーチ数(届いた人数) | 動画がどれだけ届いているか |
| 興味 | 保存数・シェア数・プロフィールアクセス数 | 会社のことをもっと知ろうとしたか |
| 行動 | リンクのクリック数・DM数・説明会や見学の申込数 | 応募への導線が機能しているか |
| 採用 | SNS経由の応募数・選考参加率・内定承諾率・入社数 | 採用課題が解決に近づいたか |
応募の「後」の数字もSNSで変わる
見落とされがちなのが、応募した後の数字です。動画で仕事内容や職場の雰囲気を知ってから応募した人は、入社後のイメージを持ったうえで選考に来てくれます。そのため、選考への参加率や内定承諾率、入社後の定着にも良い影響が期待できます。
たとえば、面接が決まった人に「仕事の1日」の動画を送る、内定を出した人に先輩社員の動画を送る、といった使い方もできます。SNSを始める前と後で、選考の各段階の通過率を比べてみると、応募数には表れない効果が見えてきます。
採用で特に大事なのは「プロフィールアクセス」
再生数が多くても、見ている人が求職者とは限りません。一方、プロフィールまで来た人は「この会社のことをもっと知りたい」と思った人です。再生数に対してプロフィールアクセスが少ない場合は、動画と求人の内容がずれている可能性があります。
保存数は「あとで見返したい」のサイン
給与や休日、1日の流れなどの情報をまとめた投稿は、保存されやすい傾向があります。保存が多い投稿は、求職者が比較・検討に使っている投稿です。同じテーマを別の切り口で増やしていきましょう。
KPIの決め方|採用目標から逆算する3ステップ

KPIは「再生数◯万回」から決めるのではなく、採用したい人数から逆算して決めます。手順は次の3ステップです。
- ゴールを決める:半年で何人採用したいかを決める(例:3名)
- 選考データから逆算する:過去の「面接→入社」の割合から、必要な面接数・応募数を出す(例:面接5人に1人が入社なら、面接15名)
- SNSのKPIに落とす:応募ページを見た人のうち何割が応募するかから、月ごとのリンククリック数や申込数の目標を決める
上の数字はあくまで考え方を示す例です。自社の過去の選考データに置き換えてください。データがない場合は、最初の3ヶ月で実際の数字を集め、そこから目標を決め直すのが現実的です。
再生数の目標は「最後」に決めれば十分
再生数だけを目標にすると、採用と関係のない流行りネタに走りがちです。目標の中心は「応募ページへのクリック」や「問い合わせ」に置くのがおすすめです。バズと応募の関係はTikTok採用でバズっても応募が来ない理由で詳しく解説しています。
効果が出るまでの期間の目安

採用SNSは、始めてすぐに応募が増えるものではありません。数字は「認知」から順番に動いていきます。見る指標も、時期によって変えていきましょう。
| 時期の目安 | やること | 主に見る数字 |
|---|---|---|
| 1〜2ヶ月目 | 投稿を積み上げ、反応の良いテーマを探す | 再生数・保存数 |
| 3〜4ヶ月目 | プロフィール・ハイライトを整える | プロフィールアクセス・リンククリック |
| 5〜6ヶ月目 | 応募ページやDMの導線を改善する | 問い合わせ・説明会申込・応募 |
| それ以降 | 選考・入社まで追い、企画を入れ替える | 面接数・入社数 |
期間はあくまで目安で、業種・職種・投稿本数によって前後します。弊社が支援する案件でも、契約期間は6ヶ月からとしています。1〜2ヶ月で応募がないからといって、やめてしまうのはもったいない判断です。
SNS経由の応募を正しく数える方法

「SNSは効果がない」と感じている会社の多くは、SNS経由の応募を数える仕組みがありません。SNSで会社を知り、求人媒体から応募する人も多いため、何もしないと応募はすべて「求人媒体経由」に見えてしまいます。
すぐにできる4つの仕組み
- 応募フォームに質問を入れる:「当社を何で知りましたか」の選択肢にSNSごとの項目を入れる
- SNSごとにリンクを分ける:Instagram用・TikTok用で応募ページのURLを分け、アクセス解析で区別する
- 面接で聞く:「応募前に見た投稿はありますか」と聞き、記録する
- 月1回記録する:各SNSのインサイト(分析画面)の数字を、毎月同じ日に表へまとめる
面接で聞いた「印象に残った投稿」は、次の企画のヒントにもなります。数える仕組みは、効果を証明するだけでなく、投稿を良くするための材料になります。
月1回の記録表はこの形で十分
記録は、表計算ソフトに1ヶ月1行で書いていくだけで十分です。同じ項目を同じタイミングで記録し続けることで、変化に気づけるようになります。
| 月 | 投稿数 | 再生数 | プロフィールアクセス | リンククリック | 問い合わせ・応募 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 8 | (記入) | (記入) | (記入) | (記入) | 反応が良かった投稿 |
| 2月 | 8 | (記入) | (記入) | (記入) | (記入) | プロフィールを変更 |
メモ欄には、プロフィールを変えた、新しい企画を始めた、などの「やったこと」を書いておきましょう。数字が動いた理由を後から振り返れるようになります。
数字が伸びないときの見直しポイント
段階ごとの数字がそろったら、一番大きく落ちている段階から直します。よくあるパターンを表にまとめました。
| 症状 | 考えられる原因 | 見直すこと |
|---|---|---|
| 再生数が伸びない | 冒頭で興味を引けていない | 最初の2秒の見せ方・テーマ選び |
| 再生数はあるがプロフィールに来ない | 動画と求人の内容がずれている | 働く姿・職場が伝わる企画にする |
| プロフィールに来るがクリックされない | 応募方法がわかりにくい | プロフィール文・リンク・ハイライト |
| クリックはあるが応募がない | 応募ページで不安が解消されない | 給与・休日・選考の流れの掲載 |
プロフィールの整え方は採用Instagramの効果を最大化する方法で紹介しています。
弊社の支援事例:警備会社の場合
弊社が支援する警備会社では、Instagram 4万フォロワー・TikTok 15万フォロワー、月間再生数1,000万回超えまで成長し、採用問い合わせは200件を超えました。支援ではショート動画の企画や投稿設計に加え、再生された後に問い合わせまで進んでもらう「導線設計」にも取り組んでいます。再生数を伸ばすことと、応募までの道筋を整えることは、セットで考える必要があります。
採用SNSの効果測定でよくある質問
Q. 採用SNSのKPIは何を設定すればいいですか?
A. 採用したい人数から逆算し、「応募ページへのクリック数」や「問い合わせ数」を中心に設定するのがおすすめです。再生数やプロフィールアクセスは、途中の確認用として見ます。
Q. 効果が出るまでどれくらいかかりますか?
A. 業種や投稿本数で変わりますが、応募や問い合わせの数字が動くまでには数ヶ月かかるのが一般的です。最初の1〜2ヶ月は再生数や保存数など、手前の数字で判断しましょう。
Q. SNS経由の応募はどうやって数えますか?
A. 応募フォームに「何で知ったか」の質問を入れる、SNSごとに応募ページのURLを分ける、面接で見た投稿を聞く、の3つを組み合わせると把握しやすくなります。
Q. 再生数が多いのに応募が来ないのはなぜですか?
A. 見ている人が採用ターゲットではない、または動画を見た後の応募方法がわかりにくい可能性があります。プロフィールアクセスとリンククリックの数字を確認し、落ちている段階を直しましょう。
Q. SNSの数字はどこで確認できますか?
A. InstagramやTikTokには、ビジネス向けのアカウントで使える分析画面(インサイト・アナリティクス)があります。再生数やプロフィールアクセスなどを確認し、月1回同じ日に記録しましょう。
数字が伸びないときの立て直し方は、SNS採用の失敗事例と対策をご覧ください。
まとめ:数字は「どこを直すか」を知るために見る
- 採用SNSの効果は「認知・興味・行動・採用」の4段階で測る
- 企業SNSを見た後に応募する人は15.0%。応募の手前の行動も効果のうち
- KPIは採用したい人数から逆算し、クリックや問い合わせを中心に置く
- 応募フォーム・リンク・面接で、SNS経由の応募を数える仕組みを作る
- 月1回数字を記録し、一番落ちている段階から直す
「SNSを続けているが、効果があるのか判断できない」「何の数字を追えばいいかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。立ち上げの流れは採用SNSの始め方もあわせてご覧ください。
参考情報(2026年10月29日確認)
株式会社Add Value 代表
企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。


