採用広報とは?始め方と発信ネタ、SNSの使い方

採用広報の担当者が三脚のスマートフォンで社員にインタビューし、隣で学生が投稿を見ているイラスト

採用広報とは、社員の声や仕事の様子、会社の考え方を発信して、候補者に「ここで働く自分」を想像してもらう活動です。「何を発信すればいいかわからない」「担当者が1人で、続けられるか不安」と感じていませんか?

この記事では、採用広報で発信することと始め方、SNSの使い方、続けるコツを解説します。そのまま使える発信ネタの表も用意しましたので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の要点

  • 採用広報は、求人票では伝わらない仕事の中身や人柄、社風を届ける活動
  • 発信ネタの基本は「人・仕事・環境・考え方・選考」の5分類
  • 始め方は「目的→相手→ネタ→媒体→振り返り」の5ステップ
  • SNSは候補者に見つけてもらう入口で、採用サイトに詳しい情報を置くと役割を分けられる
  • 募集情報は実態と合う内容を保つ(職業安定法で虚偽の表示や誤解を生じさせる表示は禁止)
目次

採用広報とは?

採用広報とは、候補者に向けて自社の情報を継続的に届ける広報活動です。求人票が「募集の条件」を伝えるものだとすれば、採用広報は「どんな人と、どんな仕事をするのか」を伝えるものです。

求人票は募集条件を伝えるもの、採用広報は人や仕事や社風を伝えるものという違いを比較した図解スライド
比べる点求人票採用広報
伝える内容給与、勤務地、応募条件社員の声、仕事の様子、考え方
届ける時期募集しているとき募集していないときも
候補者の気持ち条件が合うかを確かめる働く姿を想像する
主な媒体求人媒体、ハローワークSNS、採用サイト、ブログ

採用ブランディングとの違いは?

採用ブランディングは「働きたいと思われる印象」を育てる取り組み全体で、採用広報はその印象を情報として届ける手段の1つです。考え方は採用ブランディングとは、採用全体の流れは採用マーケティングとはで解説しています。

「広報活動」のスケジュールにも注意する

新卒採用では、政府が日程のルールを示しています。内閣官房の「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」では、広報活動の開始は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動の開始は卒業・修了年度の6月1日以降、正式な内定日は10月1日以降が原則です。ふだんの会社の発信と、募集・選考の案内は分けて考えましょう。時期に迷う場合は、最新の要請を確認してください。

採用広報で発信することは?

発信することの基本は、人、仕事、環境、考え方、選考の5つです。迷ったら、候補者が応募前に聞きたそうなことから選びましょう。

人、仕事、環境、考え方、選考という採用広報の発信ネタ5分類を示す図解スライド
分類発信ネタの例伝わること
人入社の決め手、社員インタビュー、先輩と後輩の対談一緒に働く人の雰囲気
仕事1日の流れ、仕事で大変なこと、やりがいを感じた場面仕事の中身
環境休みの取り方、研修の内容、オフィスや現場の様子働きやすさ
考え方社長のメッセージ、大切にしていること、事業の今後会社の方向性
選考選考の流れ、面接で聞くこと、よくある質問応募前の不安の解消

もっと多くの例がほしい方は、採用動画ネタ30選もあわせてご覧ください。

ネタが尽きたときの探し方

ネタに困ったら、面接でよく聞かれる質問を集めるのが一番の近道です。候補者が実際に知りたいことなので、そのまま発信テーマになります。最近入社した社員に「入る前に知りたかったこと」を聞くのも効果的です。ご支援の現場でも、この2つから始めると企画が出やすいと感じています。

良いことだけを発信しない

仕事の大変な面も、乗り越え方とセットで伝えましょう。入社後のギャップを減らすことにつながります。厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」によると、大学卒の就職後3年以内の離職率は33.8%です。応募前に実態を知ってもらう価値は小さくありません。

採用広報の始め方は?

始め方は、目的、相手、ネタ、媒体、振り返りの順に決める5ステップです。

目的を決める、届けたい相手を決める、ネタを10個書き出す、媒体と頻度を決める、月に1回振り返るという採用広報の始め方5ステップを示す図解スライド
  • 手順1 目的を決める:応募を増やすのか、辞退を減らすのか、知名度を上げるのか
  • 手順2 届けたい相手を決める:新卒か中途か、どんな職種か(採用SNSのペルソナ設計が参考になります)
  • 手順3 ネタを10個書き出す:面接でよく聞かれることから選ぶ
  • 手順4 媒体と頻度を決める:まず1つの媒体で、週1本から
  • 手順5 月に1回振り返る:反応があった投稿と、応募や面接での声を確かめる

採用広報に大きな予算は必須ではありません。社員への聞き取りとスマートフォンでの撮影から始められます。ただし、担当者の時間は必要になるので、業務の何割を使ってよいかを先に上司と決めておきましょう。

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今の発信を見ながら、何から始めるかを一緒に整理します。

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採用広報でSNSはどう使う?

SNSは、まだ自社を知らない人に見つけてもらう入口として使います。詳しい情報は採用サイトや募集ページに置き、SNSから誘導すると役割を分けられます。

TikTokやInstagramで見つけてもらい、プロフィールから採用サイトを読み、見学や応募に進むという採用広報のSNSの使い方を示す図解スライド
媒体向いていること利用率(総務省調査)
Instagram社内の雰囲気、社員の紹介全年代54.8%、20代82.6%
TikTokまだ自社を知らない若手に広く届ける全年代36.7%、10代67.9%
YouTube長めの社員インタビュー、会社説明全年代81.5%
X代表や社員の考えを言葉で発信全年代44.7%

利用率は総務省「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2025年12月実施、13〜79歳の1,800人)によるものです。まず採りたい人が使っている媒体を1つ選びましょう。媒体ごとの特徴はSNS採用とは、導線の作り方は採用SNSの導線設計で解説しています。導線とは、投稿を見た人が応募するまでの流れを指します。

弊社の支援で大切にしていること

弊社はSNS運用代行として、警備会社のTikTok・Instagram運用で採用問い合わせ200件超、整体・マッサージ系サロンで採用問い合わせ80件超の実績があります(結果は業種や条件により異なります)。どちらも動画を作って終わりにせず、問い合わせまでの導線をあわせて設計しました。

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採用広報を続けるコツは?

続けるコツは、1人で抱えず、1回の取材を何本にも使い回すことです。多くの場合、ネタ切れより担当者の時間不足で止まります。

  • まとめて取材する:月に1回、社員2〜3人に話を聞く時間を取る
  • 使い回す:1回の取材を、短い動画、投稿、採用サイトの記事に分ける
  • 協力者を作る:現場ごとにネタを教えてくれる人を1人決める
  • 型を決める:冒頭の一言、話の流れ、最後の案内を毎回そろえる
  • 公開前の確認を決める:確認者と期限を決めて、止まらないようにする

出演をお願いするときは、本人の了承を取り、無理強いはしないようにしましょう。

採用広報の効果はどう測る?

効果は、届いたか、興味を持たれたか、応募や選考につながったかの3段階で測ります。応募数だけを見ると、始めて間もないうちは効果がないように見えてしまいます。

届いたかは再生数と閲覧数、興味を持たれたかはプロフィール閲覧と採用サイトへの移動、応募につながったかは応募数と面接での声と辞退率で見るという採用広報の効果の測り方を示す図解スライド
段階見る数字や声見直すこと
届いたか再生数、閲覧数投稿のテーマ、冒頭の見せ方
興味を持たれたかプロフィールの閲覧、採用サイトへの移動導線、募集情報への案内
応募につながったか応募数、面接での「投稿を見ました」の声、辞退率メッセージ、人物像

面接で「どの情報を見ましたか」と聞く項目を入れておくと、数字に出にくい効果もわかります。詳しい指標は採用SNSの効果測定をご覧ください。

採用広報で気をつけるルールは?

気をつけたいのは、募集に関する情報を実態どおりに、最新の内容で伝えることです。厚生労働省のリーフレットによると、2022年10月1日施行の改正職業安定法により、求人企業は虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、募集を終了・変更したときは情報を速やかに更新するなど、正確・最新の内容に保つ必要があります。

また、若者雇用促進法では、平均勤続年数や研修の有無・内容といった職場情報を提供する仕組みが設けられています(厚生労働省 神奈川労働局の案内)。こうした情報を採用サイトやSNSで先に見せておくと、応募前の安心にもつながります。

採用広報の費用とデメリットは?

社内で進めるなら、主な費用は担当者の時間です。外部に任せる場合は範囲によって変わり、弊社のSNS運用代行はAプランが月額30万円(6投稿/月)からで、契約期間は6ヶ月〜です。大枠のプランをもとに、初回MTGとヒアリングシートの回答を踏まえてカスタマイズし、認識をすり合わせてから運用を始めます。

  • デメリット1:すぐに応募が増えるとは限らず、時間がかかる
  • デメリット2:社員の協力がないと続かない
  • デメリット3:効果を応募数だけで測りにくい

向いているのは、毎年採用する会社や、仕事の中身が外から見えにくい会社です。向いていないのは、数週間で人を採りたい場合です。急ぎなら求人媒体を優先し、SNS採用と求人媒体の比較も参考にしてください。

採用広報でよくある質問

Q. 採用広報の担当者は1人でもできますか?

A. できます。週1本から始め、月に1回の取材で複数の投稿を作りましょう。現場ごとにネタを教えてくれる協力者がいると続けやすくなります。

Q. 採用広報はどのくらいの頻度で発信すべきですか?

A. 決まった正解はありません。無理のない週1本から始めて、続けられることを優先しましょう。途中で止まるより、少なくても続くほうが大切です。

Q. 採用広報とPRは何が違いますか?

A. 一般的なPRはお客様や社会全体に会社を知ってもらう活動で、採用広報は働く候補者に向けて情報を届ける活動です。伝える内容も、働く人の目線に変わります。

Q. 中小企業は何から発信すればいいですか?

A. 面接でよく聞かれる質問への回答から始めましょう。候補者が知りたいことに直接答えられるうえ、撮影の準備もあまり必要ありません。

Q. 採用広報の効果はどう確かめればいいですか?

A. 再生数や閲覧数に加えて、応募数、辞退率、面接での「投稿を見ました」という声を見ましょう。面接で見た情報を聞く項目を入れると、効果がわかりやすくなります。

まとめ:採用広報は面接でよく聞かれる質問から

  • 採用広報は、求人票では伝わらない人、仕事、社風を届ける活動
  • ネタは人、仕事、環境、考え方、選考の5分類で考える
  • まず1つの媒体で週1本から始め、月に1回振り返る
  • 募集に関する情報は実態どおり、最新の内容で伝える

まずは、面接でよく聞かれる質問を10個書き出してみましょう。それが最初の発信ネタになります。外部への依頼を考える方は採用SNSは外注すべき?もご覧ください。

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監修者 佐々木啓吾

監修:佐々木啓吾

株式会社Add Value 代表

企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。プロフィール詳細はこちら →

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