採用コストとは、1人を採用するまでにかかったお金の合計のことで、求人広告費や紹介手数料などの「外部コスト」と、採用担当者の人件費や面接の時間などの「内部コスト」に分けられます。採用コストを削減するには、内訳を出して1人あたりの費用を計算し、効果の低い手法を減らして、無料または積み上がる手法に置き換えていくのが基本です。
「求人広告を出し続けているのに、採用できる人数が増えない」「人材紹介の手数料が重い」と感じている経営者・人事の方に向けて、採用費の見直し方と、費用対効果の高い採用手法を解説します。
この記事の要点
- 採用コストは、求人広告費などの「外部コスト」と、社内の人件費などの「内部コスト」の合計
- マイナビ「中途採用状況調査2026年版」(人事担当者1,500名)では、2025年の中途採用費用の総額は1社あたり平均609.9万円
- 削減の第一歩は、手法ごとの「1人あたりの採用費」を出して比べること
- 応募から入社までの途中で人が抜ける「歩留まり」と、入社後の早期離職を減らすことも、実質的なコスト削減になる
- SNS採用は投稿が積み上がるため、求人広告の出しっぱなしを減らす手段になる
採用コストとは?内訳と相場の目安
採用コストは、外部コストと内部コストの2つに分けて考えると、どこにお金がかかっているかが見えやすくなります。

| 区分 | 主な費用 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 外部コスト | 求人広告費、人材紹介の手数料、スカウトサービスの利用料、採用イベントの出展費、採用サイト・動画の制作費 | 掲載したのに採用できなかった媒体の費用 |
| 内部コスト | 採用担当者の人件費、面接官の時間、応募者との連絡、内定者のフォロー、入社後の研修 | 現場の社員が面接や説明に使う時間 |
外部コストとは、社外の会社やサービスに支払う費用のことです。内部コストとは、社内の人が採用のために使った時間を、お金に換算したもののことです。
採用コストの相場はどのくらい?

マイナビ「中途採用状況調査2026年版」(2025年実績、2025年12月実施・中途採用の費用管理に携わる人事担当者1,500名)によると、2025年の中途採用費用の総額は1社あたり平均609.9万円で、前年から40.7万円減りました。同じ調査で、採用1人あたりの転職サイトの求人広告費は全職種平均で36.7万円でした。
| 費用の種類(2025年実績・1社あたり平均) | 金額 |
|---|---|
| 中途採用費用の総額 | 609.9万円 |
| 人材紹介 | 375.5万円 |
| ダイレクトリクルーティング | 173.9万円 |
| 求人広告 | 125.1万円 |
出典:マイナビ「中途採用状況調査2026年版」(n=1,500)。各費用は、そのサービスを利用した企業の平均です。
人材紹介にかける費用が最も大きく、ここを見直せるかどうかが採用コストに大きく影響します。まずは自社の採用コストが、こうした目安と比べて高いのか低いのかを確かめることから始めましょう。1人あたりの費用の計算方法は採用単価の相場と下げ方で詳しく解説しています。
採用コストが高くなる原因は?
採用コストが高くなる原因は、「効果の低い手法に払い続けている」「途中で応募者が抜けている」「入社してもすぐ辞めてしまう」の3つに分けられます。

効果を確かめずに掲載を続けている
前回と同じ媒体に、同じ原稿で掲載を続けているケースです。どの媒体から何人採用できたかを記録していないと、効果の低い媒体に費用を払い続けてしまいます。
応募から入社までの途中で人が抜けている
応募は来ているのに、面接に来ない、内定を辞退されるといったケースです。歩留まりとは、応募から面接、内定、入社へと進む段階ごとに、次へ進んだ人の割合のことです。歩留まりが悪いと、同じ人数を採るために、より多くの応募=より多くの広告費が必要になります。内定辞退を減らす方法は内定辞退を防ぐ採用SNSで紹介しています。
入社してもすぐに辞めてしまう
採用した人がすぐに辞めると、かけた採用コストが回収できないうえに、もう一度採用をやり直すことになります。厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」によると、大学卒の就職後3年以内の離職率は33.8%です。採用コストの削減は、採用の入口だけでなく「辞めない人を採る」ことまで含めて考える必要があります。
採用コストを削減する方法は?5つの見直し手順
採用コストは、「内訳を出す→1人あたりで比べる→効果の低い費用を減らす→歩留まりを上げる→積み上がる手法に置き換える」の5つの手順で見直すと、採用数を落とさずに削減しやすくなります。

| 手順 | やること | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1. 内訳を出す | 過去1年の外部コストと内部コストを書き出す | 費用がかかっている上位3つ |
| 2. 1人あたりで比べる | 手法ごとに「費用÷採用人数」を計算する | 採用0人なのに費用が出ている手法 |
| 3. 効果の低い費用を減らす | 掲載枠を下げる、媒体を絞る | 応募は来ても採用につながらない媒体 |
| 4. 歩留まりを上げる | 応募への返信を早める、面接日程を選びやすくする | どの段階で一番抜けているか |
| 5. 積み上がる手法に置き換える | リファラル・SNS採用・自社の採用ページを育てる | 半年〜1年後の応募の入口 |
ポイントは、いきなり予算を削るのではなく、効果を確かめてから減らすことです。費用だけを削ると応募が減り、結果的に採用が遅れて人手不足のコストが大きくなることもあります。
費用対効果の高い採用手法は?
費用対効果の高い採用手法とは、1人あたりの採用費が低く、入社後の定着も見込める手法のことです。代表的なのは、リファラル採用、ハローワーク、自社の採用ページ、SNS採用の4つです。
| 採用手法 | 費用 | 費用対効果が高くなる理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| リファラル採用 | 無料(紹介した社員への手当を出す会社もある) | 社員が仕事内容を説明するため定着しやすい | 人数が読みにくい |
| ハローワーク | 無料 | 地域の求職者に費用をかけずに届く | 写真や動画で雰囲気を伝えにくい |
| 自社の採用ページ | 制作費(一度作れば長く使える) | 求人媒体から調べに来た人の応募を後押しする | 見に来てもらう入口が別に必要 |
| SNS採用 | 自社運用は無料(外注・広告は費用がかかる) | 投稿が残り続け、時間とともに応募の入口が増える | 効果が出るまで数ヶ月かかる |
ただし、無料の手法も「社内の人の時間」というコストがかかることは忘れないようにしましょう。採用手法ごとの違いは採用手法を比較|求人媒体・紹介・SNS・リファラルの選び方で表にまとめています。
SNS採用で下げられる採用コストは?
SNS採用で下げられるのは、主に求人広告の「出しっぱなし」の費用と、ミスマッチによる早期離職のコストです。

求人広告は掲載をやめると応募も止まりますが、SNSの投稿は残り続けます。職場の雰囲気や1日の仕事の流れを動画で見てから応募してもらえるため、「思っていた仕事と違った」という理由の辞退や早期離職を減らすことにもつながります。
株式会社Add Valueが支援した警備会社では、TikTok・Instagramの運用で採用問い合わせ200件超につながりました。整体・マッサージ系サロンの支援では、採用問い合わせ80件超の実績があります。SNSは「バズらせて終わり」ではなく、問い合わせから応募までの導線をつくってはじめて採用コストの削減につながります。SNS採用の費用の内訳はSNS採用代行の費用相場で紹介しています。
SNS採用が向かないケースは?
1ヶ月以内に必ず採用したい場合や、投稿を続ける人手も外注の予算もない場合は、SNS採用だけに頼るのは向きません。その場合は求人媒体や人材紹介を主力にし、SNSは補助として少しずつ始めるのがおすすめです。
採用コスト削減でよくある質問
採用コストはどのくらい削減できますか?
会社の状況によって変わるため、一律の目安はありません。まずは手法ごとの1人あたりの採用費を出し、採用につながっていない費用がどれだけあるかを確かめると、削減できる幅が見えてきます。
採用コストを削減すると応募が減りませんか?
効果を確かめずに予算だけを削ると、応募が減ることがあります。採用につながっていない媒体や枠から減らし、浮いた費用を歩留まりの改善やSNSなど積み上がる手法に回すと、応募を保ちながら削減しやすくなります。
内部コストはどう計算すればよいですか?
採用担当者や面接官が採用に使った時間に、時給に換算した人件費をかけて計算します。たとえば面接1回に1時間かかるなら、面接の回数分の時間を足し上げます。正確でなくても、おおよその金額を出すことで、手間のかかる工程が見えてきます。
SNS採用は本当に採用コストが安いのですか?
自社で運用すれば外部への支払いはかかりませんが、企画・撮影・投稿の時間がかかります。外注や広告を使う場合は費用がかかるため、目標の採用人数から逆算して、求人広告費と比べて判断することが大切です。
採用コストの見直しから相談できますか?
株式会社Add Valueでは、目標の採用人数から逆算したSNS・採用媒体・広告の組み合わせを相談できます。大枠のプランをもとに、初回MTGとヒアリングシートの回答を踏まえてカスタマイズし、認識をすり合わせてから運用を始めます。
まとめ:採用コストの削減は「1人あたり」と「定着」で考える
採用コストは、ただ予算を削るのではなく、使い方を見直すことで下げられます。
- 採用コストは「外部コスト」と「内部コスト」の合計で考える
- 2025年の中途採用費用の総額は1社あたり平均609.9万円(マイナビ「中途採用状況調査2026年版」)
- 手法ごとに「1人あたりの採用費」を出し、効果の低い費用から減らす
- 歩留まりの改善と早期離職の防止も、実質的な採用コストの削減になる
- SNS採用など、時間とともに積み上がる手法に少しずつ置き換える
採用の全体の計画は採用戦略の立て方もあわせてご覧ください。株式会社Add Valueは、企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社です。SNSだけでなく、リクルートやジョブメドレーなどの採用媒体の運用、目標の採用人数から逆算したMeta広告の運用までまとめて支援しています。採用コストを見直したい方は、お気軽にご相談ください。
参考情報(確認日:2026年11月7日)
- マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」(2025年12月実施、中途採用の費用管理に携わる人事担当者n=1,500)
- 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
株式会社Add Value 代表
企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。プロフィール詳細はこちら →


