「アイリストの求人を出しても応募が来ない」「経験者の採用は取り合いで、なかなか決まらない」──サロンオーナーの方から、こうしたお悩みをよくいただきます。
アイリストの採用方法でまず押さえたいのは、アイリストには美容師免許が必要で、もともと候補者が限られているということです。アイリストとは、まつ毛エクステンションなどの施術を行う人を指します。この記事では、採用が難しい理由と、Instagramで「ここで働きたい」と思ってもらうためのポイント、応募につながる導線、始め方を解説します。
この記事の要点
- まつ毛エクステンションの施術者には美容師免許が必要で、候補者が限られる(厚生労働省)
- 生活衛生サービス職業従事者の有効求人倍率は3.13倍で、職業計の1.06倍を上回る(令和8年8月)
- Instagramで見せるのは、仕上がりだけでなく、教育・働き方・スタッフの雰囲気
- 応募はプロフィールからの見学案内やDMなど、気軽に相談できる入口を作る
- 募集要項の更新から始めて、週1本でも投稿を続ける
アイリストの採用が難しい理由は?
アイリストの採用が難しいのは、免許を持つ人しか施術できないうえに、美容業界全体で求人が求職者を上回っているからです。主な理由を3つ見ていきましょう。

理由1:美容師免許が必須で候補者が限られる
厚生労働省は「まつ毛エクステンションの施術は、美容師法に基づく『美容』に該当する」とし、施術者には美容師の免許が必要としています。誰でも未経験から応募できる仕事ではないため、候補者の数が限られます。
理由2:美容業界全体で人が足りていない
厚生労働省「一般職業紹介状況」の令和8年8月分では、美容師なども含む生活衛生サービス職業従事者の有効求人倍率は3.13倍(常用・パート含む)で、職業計の1.06倍を大きく上回っています。有効求人倍率とは、仕事を探す人1人あたりに何件の求人があるかを示す数字です。なお、この区分はアイリストだけの数字ではありません。
理由3:免許があっても美容の仕事から離れている人が多い
リクルート ホットペッパービューティーアカデミーの「美容サロン就業実態調査(2026年)」によると、美容師免許を持つ人のうち、休眠美容師は56.4%です。休眠美容師とは、免許があるのに今は美容師として働いていない人のことです。見方を変えると、働き方が合えば戻ってきてくれる可能性のある人が、たくさんいるということでもあります。
アイリストが職場を選ぶ基準は?
アイリストが職場を選ぶときに気にするのは、給与だけでなく、技術を学べるか、長く働けるか、人間関係はどうかです。求人票だけでは伝わりにくい部分が多く、ここがSNSの出番になります。次の表は、ご相談の中でサロンの方と整理することが多い項目です。

| 気になること | 応募前に知りたいこと | 発信の例 |
|---|---|---|
| 技術と教育 | 未経験や経験の浅い人でも教えてもらえるか | 研修の流れ、デビューまでの期間 |
| 働き方 | 休みや勤務時間、子育てとの両立 | スタッフの1週間のシフト例 |
| 給与と評価 | 指名や技術がどう評価されるか | 評価のしくみの説明 |
| 雰囲気 | 先輩がどんな人か、相談しやすいか | スタッフ紹介、休憩中の様子 |
採りたい人によって伝えることは変わる
アイリストの候補者は、大きく3つのタイプに分けられます。同じ「募集中」でも、相手によって知りたいことが違うため、投稿も分けて考えましょう。同じ調査では、美容師免許を持ちながら美容師として働いた経験がない人の割合(勤務未経験率)が22.0%と報告されており、免許はあるけれど未経験という方に届ける余地もあります。
| 候補者のタイプ | 気になること | 伝えたいこと |
|---|---|---|
| アイリスト経験者 | 指名の評価、技術を伸ばせるか | 評価の仕組み、扱う技術の幅 |
| 美容師からの転身 | 一から学べるか、働き方は変わるか | 研修の流れ、転身した人の話 |
| 免許はあるが未経験・復職希望 | ブランクがあっても大丈夫か | 練習の機会、時短勤務の有無 |
アイリストの採用でInstagramに見せるべきことは?
Instagramで見せるべきことは、お客様向けの仕上がり写真ではなく、「ここで働く自分」を想像できる情報です。多くのサロンのアカウントは集客向けなので、働く人向けの投稿を足すだけで違いが出ます。

| 投稿のテーマ | 具体的な内容 | 伝わること |
|---|---|---|
| 1日の流れ | 出勤から閉店までをリールで紹介 | 働くイメージ |
| 教育の流れ | モデル練習やデビューまでのステップ | 成長できる安心 |
| スタッフの本音 | 入社の決め手、大変なことと楽しいこと | 人柄と正直さ |
| 美容師からの転身 | 美容室からアイリストになった理由 | 免許を持つ人への提案 |
| よくある質問 | シフト、指名、産休、給与の答え | 応募前の不安の解消 |
リールとは、Instagramの短い縦型動画のことです。投稿企画の考え方はInstagram採用とは、参考になるアカウントの見方はInstagram採用の成功事例で解説しています。
集客用と採用用のアカウントは分けるべき?
最初は集客用のアカウントの中で採用の投稿を増やす形でも始められます。採用の投稿が増えて、見てほしい相手が変わってきたら分けることを考えましょう。判断の基準は採用アカウントは分けるべき?をご覧ください。
アイリストの応募につながる導線は?
応募につながる導線の基本は、いきなり応募ではなく、気軽に相談できる入口を用意することです。導線とは、投稿を見た人が応募するまでの流れを指します。
リクルートの「美容就業実態調査2023」(2023年2月実施)によると、アイビューティーの従事者が初めての勤務先を探した方法(複数回答、n=151)は、学校の求人情報が31.8%、各サロンのホームページが15.2%、働きたいサロンに直接問い合わせが13.2%、SNSが5.3%でした。SNSから直接探す人はまだ多くありません。だからこそ、SNSは求人を見つける場所というより、気になるサロンを確かめて問い合わせるきっかけとして使うのが現実的です。

- プロフィール:「アイリスト募集中」と募集内容へのリンクを入れる
- 固定投稿:募集要項と、1日の流れの投稿を上に固定する
- 気軽な入口:「サロン見学だけでも歓迎」「DMで質問OK」と書く
- 返信の体制:問い合わせに誰がいつまでに返すかを決めておく
プロフィールから応募フォームまでの作り方は、採用SNSの導線設計で詳しく解説しています。
募集要項に書いておきたいこと
投稿を見て興味を持った人が最後に読むのが募集要項です。ここがあいまいだと、せっかくの興味が途切れてしまいます。給与の幅、指名やオプションの扱い、休みの取り方、研修の内容、必須資格は具体的に書きましょう。美容師免許が必須であることも、はっきり書いておくと行き違いを防げます。
アイリストの採用をInstagramで始める方法は?
始めるときは、募集要項と導線を整えてから投稿するのが近道です。投稿を増やす前に、見た人の行き先を用意しておきましょう。

- 手順1 採用したい人を決める:経験者か、美容師からの転身か、復職希望者か
- 手順2 募集要項とプロフィールを整える:給与、休み、教育の内容を具体的に書く
- 手順3 投稿テーマを5つ決める:1日の流れ、教育、スタッフの本音など
- 手順4 週1本から投稿する:無理のない本数を決めて続ける
- 手順5 問い合わせを見直す:どの投稿のあとに問い合わせがあったかを確かめる
弊社はサロンの採用支援でも、ショート動画の企画、投稿設計、アカウントの改善、問い合わせ導線の設計を行ってきました。投稿だけでなく、問い合わせまでの流れを一緒に作ることを大切にしています。急いで人を採りたい場合は、SNS採用と求人媒体の比較も参考に、求人媒体との併用を検討してください。
リラクゼーション店や整体院の方は、セラピスト採用の方法もあわせてご覧ください。
アイリストの採用でよくある質問
Q. アイリストの採用に美容師免許は必要ですか?
A. 必要です。厚生労働省は、まつ毛エクステンションの施術は美容師法の「美容」に該当し、施術者には美容師の免許が必要としています。募集の際は免許の有無を必ず確認しましょう。
Q. 未経験のアイリストも採用できますか?
A. 美容師免許があれば、アイリスト未経験でも採用できます。美容室から転身したい方や、復職したい方に向けて、研修の流れやデビューまでの期間を見せると応募を考えてもらいやすくなります。
Q. Instagramだけでアイリストの採用はできますか?
A. 不可能ではありませんが、最初はおすすめしません。SNSは成果が出るまで時間がかかるため、急ぎの採用は求人媒体を併用し、SNSは働く様子を確かめてもらう場として育てるのが現実的です。
Q. スタッフが少なくて投稿の時間が取れない場合はどうすればいいですか?
A. 週1本から始めましょう。施術の合間や閉店後に撮れる短い動画で十分です。それでも難しい場合は、企画や編集だけを外部に任せる方法もあります。
Q. 応募が来ないサロンは、まず何から直せばいいですか?
A. 募集要項とプロフィールの確認から始めましょう。給与の幅、休みの取り方、研修の内容、必須資格が具体的に書かれているかを見直します。そのうえで、応募前に聞かれそうな質問に答える投稿を足していくと効率的です。
Q. アイリストの採用で給与の話はSNSに出すべきですか?
A. 金額まで出すかはサロンの方針次第ですが、給与の決まり方や指名の扱いは伝えておくと、応募前の不安を減らせます。正直に伝えるほうが、入社後のギャップによる早期離職も防ぎやすくなります。
Q. 美容師の求人とアイリストの求人は分けたほうがいいですか?
A. 両方を募集している場合は分けるのがおすすめです。求める経験や教育の内容、働き方が違うため、募集要項や投稿を分けたほうが、見る人が自分に関係ある情報だと気づきやすくなります。
美容室全体の採用については、美容師採用が難しいサロンのInstagram活用もあわせてご覧ください。
まとめ:アイリストの採用は「働く姿」を見せることから
- アイリストには美容師免許が必要で、候補者が限られている
- 美容業界全体で求人が求職者を上回っており、選ばれる工夫が必要
- Instagramでは仕上がりだけでなく、教育・働き方・雰囲気を見せる
- 見学やDMなど、気軽に相談できる入口を用意する
まずは、応募前に聞かれそうな質問を5つ書き出して、1つ動画にしてみましょう。外注も検討している方は採用SNSは外注すべき?もご覧ください。
参考情報(2026年11月3日確認)
株式会社Add Value 代表
企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。


