「求人を出しても警備員の応募が来ない」「採用できるのは高齢の方ばかりで、若手が入らない」──警備会社の経営者や採用担当の方から、よくこうしたご相談をいただきます。
警備員の採用が難しいのは、会社の努力不足ではなく、求人が求職者を大きく上回る市場で、仕事の中身が求職者に見えにくいためです。この記事では、データで見る採用難の理由と、弊社が警備会社のSNS採用を支援して採用問い合わせ200件超につながった実例、始める手順までを解説します。
この記事の要点
- 保安職業従事者の有効求人倍率は6.41倍で、職業計の1.10倍を大きく上回る(厚生労働省の統計をJILPTが整理、2025年度)
- 警備員の47.3%が60歳以上で、30歳未満は10.9%にとどまる(警察庁、令和7年末)
- 求人媒体では給与や勤務地で比べられ、仕事の魅力が伝わりにくい
- 弊社の支援例は、TikTok15万フォロワー、Instagram4万フォロワー、月間再生1,000万回超え、採用問い合わせ200件超
- 始めるときは、未経験者の不安に答える企画と問い合わせ導線をセットで作る
警備員の採用が難しい理由は?
警備員の採用が難しい最大の理由は、求人の数に対して、働きたい人が大きく足りないことです。さらに若手が少なく、仕事の様子も知られていないため、応募が集まりにくくなっています。

理由1:有効求人倍率が全職業で最も高い水準
有効求人倍率とは、仕事を探す人1人あたりに何件の求人があるかを示す数字です。労働政策研究・研修機構(JILPT)が厚生労働省「一般職業紹介状況」をもとに整理した2025年度の数値(パートタイムを含む常用)では、保安職業従事者が6.41倍で職業の大分類の中で最も高く、職業計の1.10倍を大きく上回っています。単純に計算すると、1人の求職者を6社以上で取り合っている状態です。
理由2:働く人の高齢化が進んでいる
警察庁「令和7年における警備業の概況」によると、令和7年末の警備員数は59万6,985人で、そのうち70歳以上が21.6%、60歳以上の合計は47.3%を占めます(60〜64歳12.6%、65〜69歳13.1%、70歳以上21.6%の合計)。一方で30歳未満は10.9%です。今いる方の引退に備えて、若い世代を採っていく必要があります。
理由3:小さな会社が多く、知名度で差がつきにくい
同じ統計では、警備員数100人未満の警備業者が全体の90.3%を占めています。警備業者は1万949社あり、求人の見出しだけでは会社の違いが伝わりにくいのが実情です。
理由4:仕事の中身が知られていない
「立ちっぱなしできつそう」「夏や冬がつらそう」といった印象が先に立ちやすく、実際の1日の流れや休憩、先輩の雰囲気は外から見えません。見えない仕事は、不安なままで応募先から外されてしまいます。
女性や若手の採用には伸びしろがある
警備員に占める女性の割合は全体で7.6%ですが、30歳未満に限ると18.9%と高くなっています(警察庁、令和7年末)。女性の警備員が働く様子や更衣室・トイレなどの環境を伝えると、「自分でも働けそう」と感じてもらいやすくなります。若手に向けた発信は、男性だけを想定せずに考えるとよいでしょう。
警備員の採用は求人媒体だけでは埋もれる?
求人媒体だけでは、条件が近い求人の中に埋もれやすくなります。求人媒体は仕事を探している人に届く一方で、給与や勤務地、シフトで比べられやすいためです。

| 比較の項目 | 求人媒体 | SNS |
|---|---|---|
| 届く相手 | 今仕事を探している人 | まだ探していない人も含む |
| 比べられるもの | 給与・勤務地・シフト | 職場の雰囲気・人・仕事のリアル |
| 伝えられること | 募集条件が中心 | 1日の流れ、先輩の人柄 |
| 止めたあと | 掲載が終わると露出も止まる | 投稿が残り、応募前に見てもらえる |
もちろん、急ぎの欠員を埋めるには求人媒体も有効です。詳しくはSNS採用と求人媒体の比較で解説しています。
警備業界にSNS採用が効く理由は?
警備業界にSNS採用が効くのは、「知らない仕事」を動画で見せるだけで、他社と差がつきやすいからです。SNS採用とは、SNSで職場の様子や働く人を発信し、応募につなげる採用方法を指します。
- 同業と差をつけやすい:求人の条件が似ていても、仕事の様子を動画で見せれば違いが伝わる
- 映像で伝わる仕事である:制服、現場の動き、先輩とのやり取りは映像にすると伝わりやすい
- 未経験の不安に答えられる:「研修はある?」「体力は必要?」といった疑問に動画で答えられる
- 若い世代に届く:30歳未満が少ない業界で、求人媒体とは別の接点を作れる
たとえば、次のような企画は警備の仕事と相性がよいテーマです。実際に投稿するときは、現場の許可と、配置先や警備の手順が映らないことを必ず確認してください。

| 企画テーマ | 伝わること |
|---|---|
| 未経験から入った社員の1日 | 仕事の流れと、自分にもできそうだという安心 |
| 新人研修で学ぶこと | 入社後に教えてもらえるという安心 |
| 夏や冬の現場の対策 | きつさへの正直な答え |
| 給料や休みに関する質問への回答 | 応募前に聞きにくいことの解消 |
| 先輩と後輩のやり取り | 職場の雰囲気と人柄 |
未経験者の不安にどう答える?
未経験の方が応募をためらう理由は、仕事の内容よりも「自分に務まるか」という不安であることが少なくありません。次のような質問に、動画や固定投稿で先に答えておきましょう。
| よくある不安 | 発信で答えること |
|---|---|
| 体力に自信がない | 現場ごとの動き方、休憩の取り方 |
| 何を覚えればいいかわからない | 入社してから現場に出るまでの流れ |
| 年齢や経歴で断られないか | 実際に働いている人の年代や前職 |
| シフトの融通は利くか | 休みの取り方、シフトの決まり方の例 |
TikTokの基本はTikTok採用とは、職種ごとの媒体の選び方は採用SNSは職種別に使い分けるもご覧ください。
実例:警備会社で問い合わせ200件超につながった裏側とは?
弊社が支援した警備会社では、SNS運用を通じて採用問い合わせ200件超につながりました。お客様の名前は出せませんが、結果と支援内容は次のとおりです。

| 項目 | 実績 |
|---|---|
| TikTokフォロワー | 15万人 |
| Instagramフォロワー | 4万人 |
| 月間再生数 | 1,000万回超え |
| 採用問い合わせ | 200件超 |
支援したのは、次の4つです。ポイントは、動画を作るだけで終わらせず、問い合わせまでをひとつの流れとして設計したことです。
- ショート動画の企画:見てもらえるテーマと、仕事のリアルが伝わる内容を考える
- 投稿の設計:どの媒体に、どの順番と頻度で出すかを決める
- アカウントの改善:数字を見て、企画とプロフィールを見直す
- 問い合わせ導線の設計:見た人が迷わず問い合わせできる流れを作る
再生数が増えても、導線がなければ問い合わせにはなりません。この違いはTikTok採用でバズっても応募が来ない理由で解説しています。他業界を含む事例はSNS採用の成功事例もあわせてご覧ください。
警備会社がSNS採用を始める手順と注意点は?
警備会社がSNS採用を始めるときは、次の5つの順番で進めます。最初から完璧を目指さず、少ない本数でも続けることを優先しましょう。

- 手順1 採用したい人を決める:年齢層、未経験か経験者か、勤務地を決める
- 手順2 出演者と撮影の決まりを決める:撮影してよい場所と映してはいけないものを確認する
- 手順3 企画を10本考える:応募前に聞かれる質問から作ると考えやすい
- 手順4 投稿を続ける:無理のない本数を決めて、半年程度を目安に続ける
- 手順5 導線と数字を見直す:プロフィール、応募フォーム、問い合わせの数を確認する
手順を進めるときの役割分担
小さな会社でも、企画と確認は社内、撮影は現場の協力者のように分ければ続けやすくなります。担当者が1人で抱えると、現場の繁忙期に止まってしまうためです。社内で回せない場合は、企画や編集だけを外部に任せる方法もあります。判断の基準は採用SNSは外注すべき?をご覧ください。
警備業ならではの注意点
- 配置先や警備の手順を映さない:契約先の情報や警備の方法が映らないように確認する
- 求人の条件と発信を合わせる:動画の内容と実際の勤務条件にずれがないようにする
- SNSだけに頼らない:急ぎの欠員は求人媒体も併用する
同じ現場系の業界については、建設業の採用が難しい理由や製造業・工場の採用にSNS動画が効く理由でも解説しています。
警備員の採用でよくある質問
Q. 警備員の採用にSNSは本当に効果がありますか?
A. 会社の体制や内容によりますが、弊社が支援した警備会社では採用問い合わせ200件超につながりました。成果の鍵は、動画だけでなく問い合わせまでの導線を一緒に設計することです。
Q. 高齢の方の採用にもSNSは使えますか?
A. SNSは若い世代との接点づくりに向いています。シニア層の採用が中心なら、求人媒体やハローワークなどと併用し、SNSは会社の雰囲気を確かめてもらう場として使うと効果的です。
Q. 社員が動画に出るのを嫌がる場合はどうすればいいですか?
A. 顔を出さない構成でも始められます。手元や後ろ姿、声だけの動画、職場の様子を撮った動画などから始めて、協力してくれる方が出てきてから出演を増やす方法があります。
Q. 警備員の採用でSNSの費用はどのくらいかかりますか?
A. 社内で運用すれば外部費用は抑えられますが、担当者の時間がかかります。弊社の運用代行は月額30万円(6投稿)〜で、契約期間は6ヶ月〜です。動画の内容や工数、媒体数によって変わります。
Q. 警備員の採用はTikTokとInstagramのどちらから始めるべきですか?
A. 若手に広く知ってもらいたいならTikTok、会社の雰囲気を確かめてもらう受け皿を作りたいならInstagramが始めやすいです。余裕があれば同じ動画を両方に投稿すると、1本の動画を無駄なく使えます。
同じく現場の仕事で人手不足が続く運送業の採用については、ドライバー採用が難しい運送会社へで解説しています。
まとめ:警備員の採用は「知ってもらう」ことから変えよう
- 保安職業従事者の有効求人倍率は6.41倍で、求人を出すだけでは人が集まりにくい
- 警備員の47.3%が60歳以上で、若手の採用が業界共通の課題になっている
- SNSなら、仕事のリアルを見せて未経験者の不安に答えられる
- 弊社の支援例では、導線まで設計して採用問い合わせ200件超につながった
まずは、応募前によく聞かれる質問を10個書き出してみましょう。それがそのまま最初の動画の企画になります。採用全体の課題は求人に応募が来ない中小企業の7つの原因、基本はSNS採用とはもあわせてご覧ください。
参考情報(2026年11月3日確認)
株式会社Add Value 代表
企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。


