採用戦略の立て方|中小企業でも実践できる手順

採用戦略の立て方を解説する記事のアイキャッチ。ホワイトボードの前で採用計画を話し合う経営者と人事担当者のイラスト

採用戦略とは、事業の目標を達成するために「いつまでに、どんな人を、何人、どの方法で採用するか」を決めた計画のことです。採用戦略の立て方は、必要な人数と時期を事業計画から決め、採用したい人物像(ペルソナ)と採用チャネルを選び、採用数から逆算したKPIで見直すのが基本の流れです。

「求人を出しても応募が来ない」「とりあえず媒体に出しているが、うまくいっているのかわからない」という中小企業の経営者・人事の方に向けて、明日から使える手順を6つのステップで解説します。

この記事の要点

  • 採用戦略は「いつまでに、どんな人を、何人、どの方法で採用するか」を決めた計画
  • リクルートワークス研究所の調査では、2026年卒の300人未満企業の大卒求人倍率は8.98倍。中小企業ほど戦略が必要
  • 立て方は、人数と時期→振り返り→ペルソナ→チャネル→KPI→見直しの6ステップ
  • KPIは採用数から内定数、面接数、応募数へと逆算して決める
  • 月1回は数字を確認し、止まっている段階から直す
目次

採用戦略とは?採用計画・採用マーケティングとの違い

採用戦略とは、事業の目標から逆算して、採用の目的・対象・方法・数値目標を決めたものです。求人を出すたびに場当たり的に動くのではなく、全体の方針を先に決めておくことで、限られた予算と時間を効果の高いところに使えます。

言葉意味決めること
採用戦略採用の全体方針なぜ・誰を・何人・どの方法で採用するか
採用計画戦略を実行するための予定表募集の時期、予算、選考の日程、担当者
採用マーケティング求職者に選ばれるための考え方と手法どう知ってもらい、どう応募してもらうか

採用戦略が「何を目指すか」、採用計画が「いつ何をするか」だと考えるとわかりやすいです。求職者に選ばれるための手法については採用マーケティングとはで詳しく解説しています。

なぜ中小企業ほど採用戦略が必要なのか?

中小企業は、大企業と同じやり方では求職者に見つけてもらいにくいからです。

2026年卒の300人未満企業の大卒求人倍率は8.98倍、2026年7月時点で正社員が不足している企業は51.3パーセント、人手不足と答えた企業の75.7パーセントが対策に採用活動の強化を挙げていることを示す図解スライド

リクルートワークス研究所「第42回ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」によると、従業員300人未満の企業の大卒求人倍率は8.98倍で、5,000人以上の企業(0.34倍)と大きな差がありました。帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」(有効回答10,518社)では、正社員が不足している企業は51.3%でした。

日本商工会議所・東京商工会議所「多様な人材の活躍等に関する調査」(2026年7〜8月、n=2,654)でも、人手不足と答えた企業は60.0%で、そのうち75.7%が対策として「採用活動の強化」を挙げています。多くの会社が採用に力を入れるなかで、中小企業は「誰に・どこで・何を伝えるか」を絞り込むことが欠かせません。企業規模に合うSNSの選び方は企業規模別・採用に最適なSNSで紹介しています。

採用戦略の立て方は?中小企業でも実践できる6ステップ

採用戦略は、人数と時期を決める→これまでを振り返る→ペルソナを決める→チャネルを選ぶ→KPIを逆算する→実行して見直すの6ステップで立てられます。

必要な人数と時期を決める、これまでの採用を振り返る、採用ペルソナを決める、採用チャネルを選ぶ、KPIを逆算する、実行して見直すという採用戦略の立て方6ステップを示す図解スライド

ステップ1:必要な人数と時期を決める

事業計画から、どの部署に、何人、いつまでに必要かを決めます。欠員の補充なのか、事業拡大のための増員なのかで、求める人や急ぎ具合が変わります。退職の見込みも含めて考えましょう。

ステップ2:これまでの採用を振り返る

過去1〜2年の媒体ごとの応募数・面接数・採用数・費用、入社後に辞めた人とその理由を書き出します。ここで出した割合が、後でKPIを逆算するときの土台になります。記録がない場合は、今日から記録を始めることが最初の一歩です。

ステップ3〜6:ペルソナ、チャネル、KPI、見直し

残りの4つのステップは、採用戦略の中心になる部分です。次の章からそれぞれ詳しく解説します。

採用戦略で決めておく項目は?1枚にまとめるシートの例

6つのステップで決めた内容は、社内の誰が見てもわかるよう1枚にまとめておくと、担当者が変わってもぶれません。次の表を、そのままシートの見出しとして使えます。

項目書く内容の例
採用の目的新店舗の開店に合わせた増員
職種・人数・時期店舗スタッフ3人、来年3月までに入社
ペルソナ20代、接客経験あり、土日のどちらかは休みたい人
伝える魅力研修の手厚さ、店長候補への道、チームの雰囲気
採用チャネル求人媒体1つ+Instagram+社員紹介
KPI応募45件、面接15人、内定5人、採用3人
予算と担当月の予算、原稿・SNS・面接の担当者
見直しの日毎月第1月曜に数字を確認

採用戦略のペルソナと採用チャネルはどう決める?

ペルソナを先に決め、そのペルソナがふだん情報を集めている場所を採用チャネルに選ぶのが基本です。チャネルを先に決めると、来てほしい人がいない場所に費用をかけてしまいがちです。

採用ペルソナとは、来てほしい人物を、年齢、今の仕事、転職で叶えたいこと、不安に思っていることなどまで具体的に描いた「1人の人物像」のことです。「20代、営業経験2年、ノルマより顧客との関係づくりを大事にしたい人」のように決めると、原稿の言葉や発信の内容がぶれなくなります。決め方の詳細は採用SNSのペルソナ設計で解説しています。

求人媒体・求人検索エンジン、人材紹介、ハローワーク、リファラル、SNS・採用動画という主な採用チャネルと、それぞれが向いている場面をまとめた図解スライド
採用チャネル費用の目安メリットデメリット
求人媒体・求人検索エンジン掲載料またはクリック課金今探している人に広く届く他社と条件で比べられやすい
人材紹介成功報酬条件に合う人を紹介してもらえる1人あたりの費用が高くなりやすい
ハローワーク無料地域の求職者に届く若手や異業種の人には届きにくい場合がある
リファラル(社員紹介)紹介手当など社風に合う人が集まりやすい人数を増やしにくい
SNS・採用動画運用の手間、外注費まだ探していない人に届き、投稿が残る成果が出るまで数ヶ月かかる

中小企業では、今すぐの採用は求人媒体やハローワーク、半年後を見据えた母集団づくりはSNSのように、役割を分けて組み合わせるのが現実的です。母集団形成とは、応募を検討してくれる候補者を集めることです。SNSと求人媒体の違いはSNS採用と求人媒体の比較、求人広告の見直し方は求人広告の効果が出ない理由と改善策で解説しています。

自社に合う採用の進め方を相談したい方へ

採用したい人数と職種を伺い、チャネルの組み合わせと目標の数字を一緒に考えます。

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採用戦略のKPIはどう決める?採用数から逆算する方法

KPIは、採用したい人数から、内定数、面接数、応募数へと順番に逆算して決めます。KPIとは、最終目標(採用数)にたどり着くまでの途中の目標となる数字のことです。

採用3人を目標にした場合、内定承諾率60パーセントなら内定5人、面接から内定が3人に1人なら面接15人、応募から面接が3件に1件なら応募45件が必要になるというKPIの逆算の例を示す図解スライド

たとえば採用数の目標が3人で、内定承諾率が60%なら内定は5人必要です。面接から内定になるのが3人に1人なら面接は15人、応募から面接に進むのが3件に1件なら応募は45件必要、という計算になります。図の割合はあくまで例です。ステップ2で振り返った自社の実績の割合を使いましょう。

段階KPIの例計算
採用3人目標
内定5人3人 ÷ 内定承諾率60%
面接15人5人 ÷ 面接→内定 33%
応募45件15人 ÷ 応募→面接 33%

株式会社Add Valueでも、目標の採用人数から問い合わせ数や広告の数値を逆算し、SNSと広告の運用計画を立てています。SNSを使う場合のKPIの考え方は採用SNSの効果測定で詳しく紹介しています。

採用戦略の見直し方は?うまくいかないときのチェックポイント

見直しは、月1回は数字を確認し、四半期ごとにチャネルや予算の配分を見直すのが目安です。立てた戦略は、実行して初めて正しかったかどうかがわかります。

人数・時期・KPIを決める計画、チャネルごとに募集する実行、どの段階で止まったかを確かめる振り返り、原稿・チャネル・選考を直す改善という採用戦略を見直すサイクルを示す図解スライド
うまくいかない状況考えられる原因見直すこと
応募が少ないペルソナがいない場所に出している、原稿が伝わっていないチャネルの選び方、原稿の具体性
応募はあるが面接に来ない連絡が遅い、会社の情報が見つからない連絡の速さ、HPやSNSでの情報発信
面接後に辞退される面接の印象、条件のずれ面接の進め方、伝える情報の順番
入社後すぐに辞める入社前の情報と実態のずれ大変な面も含めた正直な情報発信

見直すときは、採用できた理由とできなかった理由を記録しておくと、次の採用の精度が上がります。会社の魅力を整理して伝える考え方は採用ブランディングとは、SNSを採用に使う意味は採用にSNS活用が必要な理由で解説しています。

採用戦略でよくある質問

採用戦略は誰が立てればよいですか?

中小企業では、経営者と採用担当者が一緒に立てるのがおすすめです。必要な人数や時期は事業計画と結びつくため、経営者が関わることで、採用の目的と予算が決めやすくなります。

採用戦略を立てるのにどのくらい時間がかかりますか?

過去の採用の記録がそろっていれば、数日から2週間ほどで最初の形は作れます。最初から完璧を目指さず、まず立てて実行し、月1回の振り返りで直していく進め方が現実的です。

採用の予算が少なくても採用戦略は必要ですか?

予算が少ないほど必要です。ペルソナとチャネルを絞り込むことで、限られた費用を効果の高いところに集中できます。ハローワークやリファラル、自社でのSNS運用など、費用を抑えられる方法も組み合わせましょう。

新卒採用と中途採用で採用戦略は分けるべきですか?

分けて考えるのがおすすめです。新卒採用は就職活動の時期に合わせた長い計画、中途採用は欠員や事業計画に合わせた短い計画になりやすく、使うチャネルや伝える内容も変わります。全体の目標人数は1つにまとめ、新卒と中途で内訳を決めましょう。

採用戦略づくりから外部に相談できますか?

株式会社Add Valueでは、目標の採用人数から逆算したSNS・採用媒体・広告の組み合わせを相談できます。大枠のプランをもとに、初回MTGとヒアリングシートの回答を踏まえてカスタマイズし、認識をすり合わせてから運用を始めます。

採用戦略を立てたあとに費用を見直す方法は、採用コストを削減する方法で解説しています。

まとめ:採用戦略は「逆算」と「見直し」で強くなる

採用戦略は、一度立てて終わりではなく、数字を見ながら育てていくものです。

  • 採用戦略は「いつまでに、どんな人を、何人、どの方法で採用するか」を決めた計画
  • 300人未満企業の大卒求人倍率は8.98倍(2026年卒)で、中小企業ほど絞り込みが必要
  • 立て方は、人数と時期→振り返り→ペルソナ→チャネル→KPI→見直しの6ステップ
  • KPIは採用数から内定・面接・応募へと、自社の実績の割合で逆算する
  • 月1回は数字を確認し、止まっている段階から直す

株式会社Add Valueは、企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社です。SNSだけでなく、リクルートやジョブメドレーなどの採用媒体の運用、目標の採用人数から逆算したMeta広告の運用までまとめて支援しています。採用の進め方に迷っている方は、お気軽にご相談ください。

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監修者 佐々木啓吾

監修:佐々木啓吾

株式会社Add Value 代表

企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。プロフィール詳細はこちら →

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