不動産会社の採用方法で大切なのは、求人媒体で条件を伝えるだけでなく、「ノルマがきつそう」「未経験では無理そう」という求職者の不安に、実際の働き方を見せて答えることです。「営業職の応募が来ない」「採用しても定着しない」と感じていませんか?
この記事では、データで見る不動産会社の採用の現状、求職者が抱えやすい不安、SNSで伝えるべき内容と始め方を解説します。不動産業界の支援で感じているポイントも紹介しますので、不動産会社の経営者・採用担当の方はぜひ最後までご覧ください。
この記事の要点
- 営業職業従事者の有効求人倍率は2.05倍で、職業計1.08倍の約2倍(厚生労働省、2026年9月)
- 宅建試験の合格者は令和7年度で45,821人(合格率18.7%)。資格を持つ経験者は取り合いになりやすい
- 求職者は「ノルマ」「休み」「歩合給」「知識がない」ことに不安を持ちやすい
- SNSでは営業の1日、給与と評価の仕組み、育て方、お客様の声、チームの雰囲気を伝える
- 良いことだけでなく、大変な面も正直に伝えると入社後のギャップが減りやすい
不動産会社の採用はなぜ難しい?データで見る採用の悩み
不動産会社の採用が難しいのは、中心となる営業職がどの業界でも取り合いになっており、資格を持つ経験者も限られているためです。まずは公的なデータを見てみましょう。

有効求人倍率とは、仕事を探している人1人あたりに何件の求人があるかを示す数字です。厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)」(常用・パート含む、原数値)によると、営業職業従事者の有効求人倍率は2.05倍で、職業計の1.08倍の約2倍でした。不動産会社の営業職は、他業界の営業職とも求職者を取り合っていることになります。
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 営業職業従事者の有効求人倍率(2026年9月) | 2.05倍(職業計1.08倍) | 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)」 |
| 宅建試験の受験者・合格者(令和7年度) | 受験者245,462人、合格者45,821人(合格率18.7%) | 不動産適正取引推進機構 |
| 不動産業,物品賃貸業の入職率・離職率(2025年) | 入職率14.4%、離職率12.1%(全産業は14.7%・13.7%) | 厚生労働省「令和7年雇用動向調査」 |
宅建士(宅地建物取引士)とは、不動産の取引で重要事項の説明などを行うための国家資格です。不動産適正取引推進機構によると、令和7年度の宅建試験は受験者245,462人に対し、合格者は45,821人(合格率18.7%)でした。一方で、厚生労働省「令和7年雇用動向調査」では不動産業,物品賃貸業の離職率は12.1%と、全産業(13.7%)より低い水準です。辞める人が特別に多い業界ではなく、課題は「応募の入口」にあるといえます。
不動産会社によくある採用の悩みは?

- 営業職の応募が集まらない:営業はどの業界でも人手が足りず、条件だけでは差がつきにくい
- 「きつそう」と思われている:ノルマ、飛び込み営業、長時間労働のイメージが先に立つ
- 未経験者が応募をためらう:法律や物件の知識がなくてもできるのか不安に思われる
- 資格を持つ人は取り合い:宅建士の経験者は、どの会社も採用したい
不動産会社に応募する求職者の不安は?
求職者の不安は、「ノルマが厳しそう」「休みが少なそう」「歩合給で収入が不安定そう」「知識がないとできなそう」の4つに集まりやすいです。これらは求人票の文字だけでは解消しにくい不安です。

| 求職者の不安 | SNSで答えること |
|---|---|
| ノルマが厳しそう | 目標の決め方、達成できなかったときに上司がどう支えるか |
| 休みが少なそう | 定休日、1週間の流れ、繁忙期と閑散期の違い |
| 歩合給で不安定そう | 固定給と歩合の割合、1年目の収入の考え方 |
| 知識がないとできなそう | 入社後の研修、先輩との同行、宅建の勉強の支援 |
株式会社Add Valueが不動産業界の採用を支援するなかでも、給与や目標の仕組みを正直に伝えている会社ほど、面接での認識のずれが少ないと感じています。不安を隠すのではなく、先に答えておくことが応募のハードルを下げます。応募前後の辞退を減らす考え方は内定辞退を防ぐ採用SNSも参考にしてください。
不動産会社のSNSで伝えることは?「働きたい」を増やす5つのテーマ
SNSで伝えるのは、求職者の不安に答える「仕事の中身」と「一緒に働く人」です。物件紹介の投稿とは別に、働く人の目線で発信します。

| テーマ | 投稿の例 | 伝わること |
|---|---|---|
| 営業の1日 | 朝礼、内見の案内、契約、事務作業の流れ | どんな仕事をするのか |
| 給与と評価の仕組み | 固定給と歩合の考え方、目標の決め方 | 収入と目標への不安の解消 |
| 未経験からの育て方 | 研修の様子、先輩との同行、宅建の勉強会 | 経験がなくても始められるか |
| お客様に喜ばれた瞬間 | 住まいが決まったときの話、感謝の手紙 | 仕事のやりがい |
| チームと職場の空気 | 先輩インタビュー、上司との会話 | 人間関係への不安の解消 |
総務省「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2025年12月公表、n=1,800)では、Instagramの利用率は20代で82.6%、TikTokの利用率は20代で61.5%でした。まだ不動産業界を考えていない若手への入口はTikTok、会社の雰囲気を確かめる場所はInstagramと使い分けると、発信の役割が整理しやすくなります。TikTokの基本はTikTok採用とは、会社のアカウントの伸ばし方は企業TikTokの始め方で紹介しています。
不動産会社のSNS採用の始め方は?4つのステップ
始め方は、採用したい人を決め、撮影ルールを整え、集客と採用の役割を分けてから投稿を続ける流れです。

- 採用したい人を決める:未経験の若手を育てたいのか、宅建士の経験者が欲しいのかで、見せる内容が変わります。人物像の決め方は採用SNSのペルソナ設計で解説しています
- 撮影のルールを決める:お客様の顔や名前、契約書、物件の住所がわかる映像を出さない、出演は本人の同意をとる、を最初に決めます
- アカウントを考える:物件紹介の集客用アカウントで採用の発信を混ぜると、見てほしい人に届きにくくなります。分けるかどうかの目安は採用アカウントは分けるべき?で紹介しています
- 投稿と応募をつなぐ:週2〜3本を目安に投稿し、プロフィールに募集職種と応募先を書きます。「まずは話を聞きたい」という人のために、DMやカジュアル面談の窓口も用意しましょう
SNSはすぐに応募が増える方法ではありません。3ヶ月を目安に続け、プロフィールへのアクセスや問い合わせ数で見直します。その間の採用は、求人媒体や人材紹介と併用しましょう。SNS採用の全体像はSNS採用とはでまとめています。
求人媒体とSNSはどう組み合わせる?
求人媒体は、今まさに転職先を探している人に条件を比べてもらう場所です。SNSは、求人を見た人が「この会社はどんな雰囲気か」を確かめに来る場所にもなります。求人票にSNSのアカウント名を書き、SNSのプロフィールには求人ページへのリンクを置くと、両方を行き来してもらえます。両者の違いはSNS採用と求人媒体の比較で詳しく解説しています。
不動産会社がSNS採用で気をつけることは?
気をつけることは、個人情報、実態と違う見せ方、収入の表現の3つです。不動産は高額な取引を扱うため、発信の信頼性がそのまま会社の信頼につながります。
| 注意点 | 具体的に気をつけること |
|---|---|
| 個人情報 | お客様の顔・名前、契約書、物件の住所や部屋番号を映さない |
| 実態と違う見せ方 | 楽しい場面だけを切り取らない。忙しい時期や大変な面も伝える |
| 収入の表現 | 一部の社員の高い年収だけを強調しない。平均や1年目の目安もあわせて伝える |
| 続ける体制 | 営業の合間に撮れるよう、撮影日をまとめて決めておく |
特に収入については、一部の高い年収だけを見せると、入社後のギャップや早期退職につながります。SNS採用でよくある失敗はSNS採用の失敗事例と対策で紹介しています。
不動産会社の採用でよくある質問
不動産会社の採用にSNSは効果がありますか?
仕事の中身や職場の雰囲気を伝え、「きつそう」というイメージを和らげる手段として役立ちます。ただし、すぐに応募が増えるとは限らないため、3ヶ月から半年ほど続けて、問い合わせ数などの数字で判断しましょう。
物件紹介のアカウントで採用の投稿をしてもよいですか?
投稿の数が少ないうちは混ぜても構いません。ただし、物件を探している人と仕事を探している人では知りたいことが違うため、採用の発信を続けるなら採用専用のアカウントを作ると見やすくなります。
未経験者を採用するには何を伝えればよいですか?
入社後の研修の流れ、先輩との同行の期間、宅建の勉強の支援など、知識がなくても始められる理由を具体的に伝えましょう。未経験で入社した社員の話は、同じ立場の求職者に特に届きやすい内容です。
宅建の資格がない人を採用しても大丈夫ですか?
宅地建物取引業法第31条の3では、事務所ごとに業務に従事する者の5人に1人以上の割合で専任の宅建士を置く必要がありますが、全員が資格を持っている必要はありません。入社後に資格取得を支援する仕組みがあれば、そのこと自体が未経験者に伝わる魅力になります。
不動産会社のSNS採用を外注すると費用はどのくらいですか?
株式会社Add Valueの基本のプランは月額30万円(6投稿/月)からで、契約期間は6ヶ月からです。大枠のプランをもとに、初回MTGとヒアリングシートの回答を踏まえてカスタマイズし、認識をすり合わせてから運用を始めます。
まとめ:不動産会社の採用は「不安に答える発信」から
不動産会社の採用では、条件を並べるだけでなく、求職者の不安に先回りして答えることが大切です。
- 営業職業従事者の有効求人倍率は2.05倍で、営業職はどの業界でも取り合い
- 不動産業の離職率は全産業より低く、課題は応募の入口にある
- 求職者はノルマ、休み、歩合給、知識のなさに不安を持ちやすい
- SNSでは営業の1日、給与の仕組み、育て方、お客様の声、チームを伝える
- 個人情報を守り、収入は一部の高い例だけを強調しない
株式会社Add Valueは、企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社です。SNSの運用だけでなく、リクルートなどの採用媒体の運用、目標の採用人数から逆算したMeta広告の運用、専属カメラマンによる高品質の動画作成まで対応しています。自社に合う発信を知りたい方は、お気軽にご相談ください。
参考情報(確認日:2026年11月6日)
株式会社Add Value 代表
企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。プロフィール詳細はこちら →


