人手不足の採用対策とは、働き手が足りない状況でも応募を集め、採用した人に長く働いてもらうための取り組みのことです。人手不足でも応募が集まる会社は、求職者が気にする条件を具体的に出し、働く人の姿を見せ、応募までの手間を減らしているのが共通点です。
「求人を出しても応募が来ない」「採用してもすぐ辞めてしまい、いつも人が足りない」と悩んでいる経営者・人事の方に向けて、人手不足の現状を公的データで確認し、今日から始められる採用対策とSNSの使い方を解説します。
この記事の要点
- 人手不足の採用対策とは、働き手が足りない中でも応募を集め、定着させる取り組み
- 帝国データバンクの調査(2026年7月、n=10,518)では、正社員が不足している企業は51.3%
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)」の有効求人倍率は1.19倍
- 応募が集まらない会社は、条件があいまい・職場が見えない・応募の手間が多いことが多い
- すぐできる対策は、求人票の見直し、応募の手間を減らすこと、SNSで職場を見せること
人手不足の現状は?公的データで見る
人手不足は一部の業界だけの問題ではなく、半数以上の企業が正社員の不足を感じている状況です。特に、運転・接客・建設などの仕事では、求職者1人に対して2件以上の求人がある状態が続いています。

有効求人倍率とは、仕事を探している人1人に対して、何件の求人があるかを示す数字です。1倍を超えると、求職者よりも求人の数が多い状態を意味します。
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 正社員が不足している企業 | 51.3% | 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」(有効回答10,518社) |
| 人手不足と答えた企業 | 60.0% | 日本商工会議所・東京商工会議所「多様な人材の活躍等に関する調査」(2026年7〜8月、n=2,654) |
| 有効求人倍率(季節調整値) | 1.19倍 | 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)」 |
| 人手不足倒産(2026年4〜9月) | 225件(前年同期214件) | 帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2026年度上半期)」 |
| 自動車運転従事者の有効求人倍率 | 2.56倍(職業計1.08倍) | 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)」参考統計表(常用・パート含む、原数値) |
| 接客・給仕職業従事者の有効求人倍率 | 2.31倍(職業計1.08倍) | 同上 |
人手不足倒産とは、従業員が集まらない・辞めてしまうことなどが原因で事業を続けられなくなる倒産のことです。帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2026年度上半期)」(2026年10月7日公表、負債1,000万円以上・法的整理)によると、2026年4〜9月の人手不足倒産は225件で、前年同期の214件を上回り、年度上半期として4年連続で過去最多を更新しました。
日本商工会議所・東京商工会議所の調査では、人手不足と答えた企業のうち75.7%が対策として「採用活動の強化」を挙げています。多くの会社が採用を強化している今、「求人を出せば人が来る」状況ではなくなっています。
人手不足の業界はどこ?採用が特に難しい仕事
人手不足が特に深刻なのは、運輸・接客・建設・介護など、現場で人が働く仕事です。こうした仕事は、仕事の中身が外から見えにくく、「きつそう」という思い込みで応募をためらわれやすいのも特徴です。
| 業界・職種 | 人手不足の背景 | 採用で伝えたいこと |
|---|---|---|
| 運輸(ドライバー) | 時間外労働の上限規制で1人あたりの仕事量が減った | 1日の流れ、休みの取り方、未経験からの育て方 |
| 宿泊・飲食(接客) | 離職が多く、常に人を入れ替えている | シフトの組み方、教え方、一緒に働く人 |
| 建設 | 若手が少なく、高齢化が進んでいる | 現場の安全対策、資格取得の支援、若手の声 |
| 介護 | 需要が増え続けている | 仕事のやりがいと大変さ、職場の人間関係 |
| 警備 | 現場が多く、常に人手が求められる | 仕事の流れ、未経験でも始められる理由 |
業界別の詳しい対策は、ドライバー採用、建設業の採用、介護採用にTikTokという選択肢の記事でも解説しています。
人手不足の業界ほど、仕事の中身を見せるだけで「思っていたより働きやすそう」と伝わる余地があります。
人手不足でも応募が集まらない会社の共通点は?
人手不足で応募が集まらない会社には、条件があいまい、職場の様子が見えない、応募までの手間が多いという3つの共通点があります。

条件があいまいで比べられない
マイナビ「転職動向調査2026年版」(2025年に転職した20〜50代の正社員、n=1,446)では、応募をためらう理由は「給与が低い」39.6%、「休日が少ない」32.4%、「勤務地が希望と異なっている」24.4%の順でした。給与や休日をぼかした求人は、ほかの会社と比べられた時点で外されてしまいます。
職場の様子が見えない
「アットホームな職場です」と書くだけでは、どんな人が働いているのかわかりません。働く人の顔や声が見えないと、応募の前の不安が残ります。
応募までの手間が多い
応募フォームの入力項目が多い、問い合わせへの返信が遅い、面接日程の調整に時間がかかる、といった手間は、応募の途中で離れてしまう原因になります。応募が来ない原因は求人に応募が来ない中小企業の7つの原因でも詳しく紹介しています。
応募が集まらない原因の多くは、会社の魅力が足りないのではなく、伝わっていないことにあります。
人手不足の採用対策としてすぐできることは?
人手不足の採用対策としてすぐできるのは、求人票を具体的にする、応募の手間を減らす、採用の対象を広げる、今いる社員の定着を図るの4つです。費用をかけずに始められるものから取り組みましょう。

| 対策 | やること | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 求人票を具体的にする | 給与の内訳、年間休日、残業時間、1日の流れを書く | ほぼかからない |
| 応募の手間を減らす | 入力項目を減らす、24時間以内に返信する、面接日を選べるようにする | ほぼかからない |
| 採用の対象を広げる | 未経験者、シニア、主婦(主夫)、副業の人も対象にする | 育成の手間がかかる |
| 定着を図る | 定期的な面談、働き方の見直し、教え方の仕組みづくり | 社内の時間がかかる |
| 求人媒体・広告を使う | 採りたい人が使う媒体に絞って出す | 掲載・配信の費用がかかる |
採用にかかる費用を抑える考え方は採用コストを削減する方法で解説しています。応募を増やす対策と、辞める人を減らす対策は、両方そろえて初めて人手不足の解消につながります。
すぐできる対策は、費用ではなく「伝え方」と「対応の早さ」を変えることです。
SNSを使った人手不足の採用対策とは?
SNSを使った採用対策とは、TikTokやInstagramで仕事や職場の様子を発信し、まだ仕事を探していない人にも会社を知ってもらう取り組みです。求人媒体が「今探している人」に届くのに対し、SNSは「いい会社があれば移りたい人」にも届きます。

総務省「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2025年12月公表、n=1,800)では、20代のInstagram利用率は82.6%、TikTok利用率は61.5%でした。若い働き手に知ってもらう場所として、SNSは欠かせなくなっています。
株式会社Add Valueが支援した警備会社では、TikTok・Instagramで現場の仕事や働く人を見せる運用を続け、採用問い合わせ200件超につながりました。整体・マッサージ系サロンでも、採用問い合わせ80件超の実績があります。どちらも、人手不足と言われる業界での事例です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 知名度がなくても届く/職場の雰囲気が伝わる/投稿が積み上がり、長く効く入口になる |
| デメリット | 成果が出るまで3ヶ月ほどかかることが多い/撮影・編集の手間がかかる/社員の協力が必要 |
| 向いている会社 | 継続して人を採りたい会社、現場の仕事が外から見えにくい会社 |
自社で始めるのが難しい場合は、運用代行を使う方法もあります。株式会社Add Valueでは、大枠のプランをもとに、初回MTGとヒアリングシートの回答を踏まえてカスタマイズし、認識をすり合わせてから運用を始めます。SNS採用の全体像はSNS採用とは?主要5媒体の比較・メリット・成功事例まで完全ガイドで解説しています。
SNSは、人手不足の業界ほど「仕事の中身を見せる」ことで差がつく採用手段です。
人手不足の採用対策についてよくある質問
人手不足で応募が来ないとき、最初に何をすればよいですか?
まず求人票を見直し、給与・休日・残業・1日の流れを具体的に書きましょう。マイナビの調査でも、応募をためらう理由の上位は給与と休日でした。費用をかけずにすぐ始められる対策です。
人手不足の業界でもSNSで採用できますか?
できます。現場の仕事は外から見えにくいため、動画で仕事の流れや働く人を見せると、思い込みによる不安を減らせます。株式会社Add Valueの支援では、警備会社で採用問い合わせ200件超につながりました。
採用を強化しても人が辞めてしまう場合はどうすればよいですか?
応募を増やすのと同時に、辞める理由を減らす取り組みが必要です。定期的な面談で不満を聞き、入社前に伝える情報と実際の働き方の差を小さくしましょう。
人手不足の採用対策に費用はどれくらいかかりますか?
求人票の見直しや応募対応の改善は、ほとんど費用がかかりません。求人媒体や広告、SNS運用代行を使う場合は、掲載や運用の費用がかかるため、目標の採用人数から逆算して予算を決めましょう。
人手不足が特に深刻な業界はどこですか?
運輸・接客・建設・介護など、現場で人が働く仕事で特に深刻です。厚生労働省の令和8年9月分のデータでは、自動車運転従事者の有効求人倍率は2.56倍、接客・給仕職業従事者は2.31倍で、職業計の1.08倍を大きく上回っています。
まとめ:人手不足の採用対策は「伝わる会社」になること
人手不足の中で応募を集めるには、会社の魅力を、求職者が判断できる形で伝えることが大切です。
- 正社員が不足している企業は51.3%(帝国データバンク、2026年7月)
- 有効求人倍率は1.19倍で、求職者より求人の数が多い状態(2026年9月)
- 応募が集まらない会社は、条件があいまい・職場が見えない・応募の手間が多い
- すぐできる対策は、求人票の具体化、応募の手間の削減、採用対象の拡大、定着の取り組み
- SNSで仕事と職場を見せると、まだ探していない人にも届く
株式会社Add Valueは、企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社です。SNS運用と採用媒体・広告運用を一気通貫で支援しています。人手不足の採用に悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
参考情報(確認日:2026年11月8日)
- 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」(有効回答10,518社)
- 日本商工会議所・東京商工会議所「多様な人材の活躍等に関する調査」(2026年7〜8月、n=2,654)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)について」
- マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)」(2025年12月実施、2025年に転職した20〜50代の正社員n=1,446)
- 総務省「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2025年12月公表、n=1,800)
- 帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2026年度上半期)」(2026年10月7日公表)
株式会社Add Value 代表
企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。プロフィール詳細はこちら →


