高卒採用のルールと進め方|SNSで若手に選ばれる会社へ

高卒採用のルールと進め方の記事のアイキャッチ。高校生と進路指導の先生が求人票と職場の動画を見ながら話しているイラスト

高卒採用とは、高校を卒業予定の生徒を、学校とハローワークを通じて正社員などとして採用することです。高卒採用は、国と学校・経済団体が申し合わせた全国共通のスケジュールと、学校を通じて応募する独自のルールのもとで進めます。

「高卒採用を始めたいが、ルールがよくわからない」「求人票を出しても応募が来ない」と悩んでいる経営者・人事の方に向けて、高卒採用のルールと年間の進め方を公的情報で整理し、ルールの中でSNSを使って高校生に選ばれる方法を解説します。

この記事の要点

  • 高卒採用とは、高校生を学校とハローワークを通じて採用すること
  • 令和9年3月卒の選考開始・内定開始は2026年9月16日(厚生労働省)
  • 一人一社制とは、選考開始から一定期間、1人の生徒が応募できる企業を1社に限る慣行
  • 令和9年3月卒の高校生の求人倍率は3.60倍(2026年7月末現在)で、企業どうしの取り合いが続く
  • SNSは直接の勧誘ではなく、「職場見学に行きたい会社」になるための認知づくりに使う
目次

高卒採用のルールとは?中途・大卒採用との違い

高卒採用のルールの基本は、企業が生徒に直接応募を呼びかけるのではなく、ハローワークで確認を受けた求人を学校に出し、学校の推薦を通じて応募を受け付けることです。

高卒採用の3つのルールとして、ハローワークで求人の内容の確認を受けてから学校に求人を出すこと、全国共通の日程で求人の受付や選考開始が決まっていること、選考開始から一定期間は1人の生徒が応募できるのは1社に限る一人一社制があることを示す図解スライド
項目高卒採用中途・大卒採用
応募の窓口学校(ハローワークの確認を受けた求人を学校に出す)求人媒体・自社サイト・人材紹介など
日程全国共通の日程で求人受付・選考開始が決まる会社ごとに自由に決める
応募できる社数一定期間は1人1社の慣行(地域で運用が異なる)制限なし
会社が直接できること学校訪問、職場見学の受け入れスカウト、説明会、直接の連絡など

一人一社制とは、選考開始から一定期間に限り、1人の生徒が応募できる企業を1社として学校が推薦する慣行のことです。高等学校就職問題検討会議ワーキングチームの報告(令和2年2月)では、最初から複数応募を認める方法と、一次応募までは1社にして一定期日以降は複数応募を認める方法が示され、具体的な運用は都道府県ごとに決められています。複数応募ができる時期は地域によって違うため、管轄のハローワークや都道府県の申し合わせで確認しましょう。

高卒採用は「法律で一律に決まった仕組み」ではなく、申し合わせと地域の慣行で動いていることを押さえておくのが大切です。

高卒採用のスケジュールと手順は?

高卒採用は、6月にハローワークへ求人を申し込み、7月に学校へ求人を出し、9月に応募の受付と選考が始まる流れです。令和9年3月卒の日程は、厚生労働省が次のように取りまとめています。

令和9年3月卒の高卒採用のスケジュールとして、2026年6月1日にハローワークでの求人申込書の受付開始、7月1日に企業による学校への求人申込と学校訪問の開始、9月5日(沖縄県は8月30日)に学校から企業への応募書類の提出開始、9月16日に企業による選考開始と採用内定開始であることを示す図解スライド
時期(2026年)やること
6月1日〜ハローワークでの求人申込書の受付開始(求人の内容の確認を受ける)
7月1日〜企業による学校への求人申込・学校訪問の開始
7〜8月ごろ生徒の応募前職場見学の受け入れ
9月5日〜(沖縄県は8月30日〜)学校から企業への応募書類の提出開始
9月16日〜企業による選考開始・採用内定開始

出典は厚生労働省「令和9年3月新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考期日等を取りまとめました」(2026年2月16日公表)です。この日程は、全国高等学校長協会・経済団体・文部科学省・厚生労働省が検討して決めています。

特に大切なのが、応募前職場見学です。応募前職場見学とは、生徒が応募先を決める前に、実際に会社を訪れて仕事や職場を見る機会のことで、生徒が会社と直接ふれあえる数少ない場面です。

高卒採用は「9月に始まる」のではなく、「夏の職場見学までに知ってもらえているか」で勝負が決まります。

高卒採用の現状は?求人倍率と離職率で見る

高卒採用は、求人が生徒の数を大きく上回る売り手市場です。そのため、求人票を出すだけでは選ばれにくく、入社後に定着してもらう工夫も欠かせません。

厚生労働省の公表資料で、令和9年3月卒の高校生の求人倍率は2026年7月末現在で3.60倍、令和5年3月卒の高校卒の就職後3年以内の離職率は36.9パーセント、総務省の令和7年度調査で10代のTikTok利用率は67.9パーセントであることを示す図解スライド

厚生労働省「令和8年度『高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況』取りまとめ(7月末現在)」(2026年9月公表)によると、令和9年3月卒の高校生は、求人数約45万9千人に対して求職者数約12万7千人で、求人倍率は3.60倍でした(前年同期は3.69倍)。

一方、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)」(2026年10月23日公表)では、高校卒の就職後3年以内の離職率は36.9%で、大学卒の31.2%を上回っています。

指標数値出典
高校生の求人倍率(令和9年3月卒、2026年7月末現在)3.60倍厚生労働省
高校卒の3年以内離職率(令和5年3月卒)36.9%厚生労働省

生徒1人に3件以上の求人がある中では、「知ってもらうこと」と「入社後のギャップを減らすこと」の両方が必要です。入社後のギャップを減らす方法は採用ミスマッチの防止方法で解説しています。

高校生は仕事をどう探している?情報収集とSNS

高校生は、学校の先生や求人票で会社を知り、気になった会社をスマートフォンで調べて、職場見学に行く会社を決めています。調べたときに情報が出てこない会社は、不安に思われやすくなります。

総務省「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2025年12月公表、n=1,800)では、10代のTikTok利用率は67.9%でした。高校生にとってSNSは毎日見る場所であり、会社の雰囲気を知る手がかりにもなっています。

また、高卒採用では保護者や先生も会社を調べます。「子どもを安心して預けられる会社か」「生徒に紹介してよい会社か」を判断する材料として、働く若手社員の様子や職場の安全への取り組みが見られる発信は、生徒・保護者・先生の3者に役立ちます。

高卒採用の発信は、生徒だけでなく「保護者と先生にも安心してもらう」ことを意識しましょう。若い世代の情報の集め方はZ世代の採用にSNSが必須な理由でも解説しています。

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高卒採用でSNSでできること・できないことは?

高卒採用でSNSを使うときは、会社や仕事を知ってもらう発信はできるが、学校を通さずに生徒へ応募を呼びかけたり、直接応募を受け付けたりはしない、と整理しておくと安心です。

高卒採用でSNSでできることとして、会社と仕事を知ってもらう発信、若手社員の1日や職場の雰囲気の紹介、職場見学は学校を通じて申し込むよう案内することがあり、避けたいこととして、生徒への個別の勧誘やDMでの声かけ、SNS経由での直接の応募受付、選考開始日前の実質的な選考があることを比べた図解スライド
できること(認知と理解)避けたいこと(学校ルートを通らない行為)
会社と仕事を知ってもらう発信生徒への個別の勧誘、DMでの声かけ
若手社員の1日や職場の雰囲気の紹介SNS経由での直接の応募受付
「職場見学は学校を通じてお申し込みください」と案内する選考開始日前の実質的な選考や内定の約束

SNSの役割は「応募の入口」ではなく、「職場見学に行きたい会社」として先に知ってもらうことです。運用の細かな判断に迷ったときは、管轄のハローワークに確認しましょう。

高卒採用とSNS、どう組み合わせるか迷っていませんか?

採用計画と目標の採用人数から逆算して、学校ルートの中でSNSをどう使うかを一緒に整理します。

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ルールの中でSNSを使えば、学校ルートを邪魔せず、学校ルートの効果を高められます。

高卒採用で学校ルートとSNSを併用するには?

学校ルートとSNSを併用するには、1年を通して発信を続け、求人票を出す7月から職場見学の夏までに、見学につながる発信を増やすのが基本です。

学校ルートとSNSを併用する年間の流れとして、4〜6月は新入社員の研修や若手の様子を発信、7〜8月は仕事紹介と職場見学の案内を強化し学校訪問で求人票と一緒にSNSを紹介、9月以降は若手社員の成長や入社後の流れを見せて応募と入社の不安を減らすことを示す図解スライド
時期学校ルートでやることSNSでやること
4〜6月前年の振り返り、求人票の準備新入社員の研修、高卒入社の若手の様子
7〜8月求人申込・学校訪問、職場見学の受け入れ仕事紹介、職場見学の案内、見学の様子
9月以降応募書類の受付、選考、内定若手社員の成長、入社までの流れ
通年先生との関係づくり週1〜3本を目安に発信を続ける

学校訪問のときに、求人票と一緒にSNSのアカウントを紹介しておくと、先生が生徒に会社を説明するときの材料になります。新卒採用全体のSNSの使い方は新卒採用にSNSを活用する方法もあわせてご覧ください。

株式会社Add Valueが支援した警備会社では、TikTok・Instagramで現場のリアルを見せる運用を続け、採用問い合わせ200件超につながりました。年の近い先輩が働く姿を見せることは、高卒採用でも「数年後の自分」を想像してもらう材料になります。

SNSの発信は一朝一夕には積み上がらないため、職場見学の時期から逆算して、春には始めておくのが理想です。

高卒採用でSNSを使うメリット・デメリットは?

SNSを使うメリットは、求人票だけでは伝わらない職場の雰囲気や先輩の姿を、生徒・保護者・先生に見てもらえることです。デメリットは、成果が出るまでに時間がかかり、ルールに沿った運用の配慮が必要なことです。

項目内容
メリット職場見学に来てもらいやすくなる/保護者や先生の安心につながる/入社後のギャップを減らせる
デメリット成果が出るまで数ヶ月かかる/撮影・編集の手間がかかる/直接の勧誘をしないなどルールへの配慮が必要
向いている会社毎年高卒採用を続けたい会社、仕事の中身が外から見えにくい会社

株式会社Add Valueでは、大枠のプランをもとに、初回MTGとヒアリングシートの回答を踏まえてカスタマイズし、認識をすり合わせてから運用を始めます。20代全体の採用の進め方は若手採用の方法|20代に選ばれる会社がやっていることで解説しています。

高卒採用のSNSは、毎年続けるほど「去年の先輩」が次の生徒への発信になっていきます。

高卒採用についてよくある質問

高卒採用はいつから準備すればよいですか?

ハローワークでの求人申込書の受付は6月1日から始まるため、春には求人票の準備を始めましょう。令和9年3月卒の場合、学校への求人申込は7月1日から、選考開始は9月16日からです。

一人一社制とは何ですか?

選考開始から一定期間に限り、1人の生徒が応募できる企業を1社として学校が推薦する慣行です。一定期日以降は複数応募を認めるなど、運用は都道府県ごとに異なるため、管轄のハローワークで確認しましょう。

高卒採用でSNSから直接応募を受け付けてもよいですか?

高卒採用は学校を通じて応募するのが原則のため、SNSで直接応募を受け付けたり、生徒に個別に応募を呼びかけたりするのは避けましょう。SNSは会社を知ってもらう発信に使い、職場見学は学校を通じて申し込むよう案内します。

高卒採用の求人倍率はどれくらいですか?

厚生労働省の取りまとめでは、令和9年3月卒の高校生の求人倍率は2026年7月末現在で3.60倍でした。生徒1人に3件以上の求人がある状態で、企業どうしの取り合いが続いています。

高卒で入社した社員が辞めないためには何をすればよいですか?

入社前に仕事の大変さや働き方を正直に伝え、入社後は年の近い先輩に相談できる仕組みを作りましょう。高校卒の就職後3年以内の離職率は36.9%(令和5年3月卒)で、定着の工夫が欠かせません。

まとめ:高卒採用はルールを守りながら「知ってもらう」こと

高卒採用で選ばれるには、全国共通のルールと日程を守りながら、職場見学の前に会社を知ってもらうことが大切です。

  • 高卒採用は、ハローワークの確認を受けた求人を学校に出し、学校を通じて応募を受け付ける
  • 令和9年3月卒は、6月1日に求人受付、7月1日に学校への求人申込、9月16日に選考開始
  • 一人一社制の運用は都道府県ごとに異なるため、管轄のハローワークで確認する
  • 高校生の求人倍率は3.60倍(2026年7月末現在)で、知ってもらう工夫が必要
  • SNSは直接の勧誘ではなく、生徒・保護者・先生に職場を知ってもらうために使う

株式会社Add Valueは、企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社です。SNS運用と採用媒体・広告運用を一気通貫で支援しています。高卒採用とSNSの組み合わせに悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。

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監修者 佐々木啓吾

監修:佐々木啓吾

株式会社Add Value 代表

企業ごとに施策を変えながら採用の成果にコミットするSNS運用代行会社を経営。Instagram・TikTok・採用媒体・Threads・YouTube・Meta広告・簡易採用LPまで対応し、約20案件を並行支援。警備会社のSNS採用で問い合わせ200件超、支援先の月間再生数は1,000万回超えなどの実績を持つ。プロフィール詳細はこちら →

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